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□勇気の一歩!
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わたしには好きな人がいる。


常勝と言われるうちのテニス部で、2年生なのにレギュラーを取ったクラスメート。


「……」

それが隣でぐっすりと眠る、切原赤也くん。


英語の授業中でも気にせずに眠る彼はすごいと思う。(ヘタレな私にはできない)


ふわふわの黒髪に整った顔立ちで眠る切原くんは、すごく気持ちよさそう…



たまたま隣の席になれて、その明るさとテニスするときの真剣さのギャップに惹かれたんだ。


だけど、自分から話しかけるのはできなくて。



こうして切原くんが眠っているときに、一番近くで見つめるだけですごく幸せだから。



だけどやっぱり話しかけてみたいな、とか思うんだ。


どうしたら、できるかな………

変わりたい、そう思った瞬間。


((パチッ))


切原くんと、目があった。



…いやいやいや寝てたんじゃないの…!!?
ていうかいまの状況やばい。

見てたのがバレちゃったし、何より目反らせなくてずっと合い続けてる…!



「…名字たん。」

『っえ!?』

「…お前、顔真っ赤。」



そうしてフッと笑った彼に、ドキッと胸が高鳴った。

今が授業中なのも忘れて、頭の中は切原君でいっぱいだった。

『あの、あの、見ててごめんなさい…!!』

「あー、別に良いって。寝てた俺も悪ぃし…あ、その代わりさ」


見てたことを謝れば、気にしない様子で言ってくれた。
そのかわりという言葉に首を傾げると、彼はニカっと笑って




「俺と友達になってくれよ!これからよろしくな、名字たん!!」



今度からは私から話しかけてみようと、ひっそりと決意しました。





勇気の一歩!
((っあー、緊張したぜ!))
((今度話しかけられたら、ちゃんと目みれるといいな…!))


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