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□このキスが終わったら、
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『あ、こんなとこにいた仁王ーっ!!』


ふわふわと淡いピンク色の花びらが校庭を舞う季節。
暖かな気温だからか、屋上はぶっちゃけお昼寝したいぐらい気持ちいい。


昼休みが終わる直前、探していた仁王は屋上で給水タンクを背に腰掛けていた。


「ああ、お前さんか。俺に何か用か?」

『うんっ!まぁ、用っていうか何ていうか…
とりあえず、うん、えと…』


あれだけシミュレーションしたけど、やっぱり本人目の前にすると言えないよ!


「なんじゃ、らしくもなくはっきりせんのぅ。
大丈夫じゃ、言ってみんしゃい。」

『…え、いいの?言うよ言っちゃうよ?』

「おいおい、そこまで言われちゃ気になるだろ。」


どもることしかできない私を見て、仁王は苦笑いしてた。






『だ、だよねっ…!
えーと、……仁王が、好きです。』


どもりにどもっちゃって情けない。フられたらどうしよう。立ち直れない…!あああなんで告白したんだ自分!


どんなフり方をされるのかと身を固くして俯いていると、上から振ってきた言葉。もちろん仁王の言葉だ。





「知っちょるよ。」



『……は?』


「だから、知っちょる。」


いや、だからなんで知ってるの?

てか答えは!?


混乱する私を見て、仁王は少し微笑むといつの間に近づいてきていたのか、いきなり私を抱きしめた。


『うわっ!』

「……色気のない声じゃ…。」

『しっ、知らないよそんなの!!ていうかげんなりして言わないで!』


仁王は抱きしめる力を強めて、私の首に顔を埋めた。
仁王のサラサラの髪が当たって、くすぐったい…!


「ま、えーよ。おまえさん可愛いから許しちゃる。」



甘い言葉を耳元で低く囁く。
けれど真っ赤になりながらも、私は一人で答えを探し続けていた。



『…っねぇ、仁王の気持ちは言ってくれないの?』


はっきり好きとは言わないで、遠回しにこんなこと言ったら好きなように解釈しちゃうもん。

私、このまま自惚れちゃうよ?

「知りたいか?」

『…そりゃあ…』


私から体を離してまたゆっくりと近づいてくる、唇。


赤くて魅惑的なその唇は、話したらキスができるぐらいの近い距離。


それから──言葉と同時に塞がれた。


「仕方ないのぅ。それじゃあ、


このキスが終わったら、

(教えてやるぜよ。)





――――――――――――

終わりが酷い\(^o^)/

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