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□指先はもどかしいばかり
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カチ、カチカチ、
携帯の画面を睨みながらカチカチと文字を打ち込んでは消して、打ち込んでは消してを繰り返す。少ししてまた出るため息。
好き。
その言葉を伝えられたら、どれだけ楽なんだろう。ずっと、ずっとリョーマに恋をしてきて、メアドもゲットした。そこそこ、仲はいいと思う。
――――でも、伝えられない。
私は知っているのだ、彼のココロにいるのは私じゃない。
だったら早くあきらめて、次の恋をすればいいってことぐらいわかってる。けど、毎日話して、目を合わせる。これだけでリョーマをもっと好きになる、想いが深くなる。
「名無したん?…どうかしたの?」
『ううん、なんでもないよ。』
心配そうに揺れる瞳は、私を映してはくれないじゃない。
「そう?また授業聞いてなくて、ノート困ってるのかと思った。」
『う、ひどいなぁ。でもそうなんだよね…どうしよう!』
「…ポンタのグレープね。」
皮肉の後に優しいことを言うその唇は、私に愛を紡いではくれないじゃない。
『ありがとう!あー、助かった…!』
「…フッ、まだまだだね。」
なのにどうして、
そんな優しい顔をして笑うの?
指先はもどかしいばかり
(いつまでも愛を伝えられない)
(私は臆病者)
―――――――――★
意味プーさん\(^o^)/
お題は
「確かに恋だった」様より。
ありがとうございます!