怪盗キッド

□第四章
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 ―数週間後

新一は、アリスとキッドに言われたように、遊園地に来ていた。
だが、
きっと適当に言ったのが当たった位だろう?
。と、新一は気にしないようにする余り、ホームズの話しばかりをしてた。

そして、事件は目の前で起こった。
アリスとキッドが言っていた事が次々と当たって行く。

アリスとキッドが言っていた黒い服の男…。
あいつが二人が言っていた奴で間違いないだろう。
だが、ここで追うか…。
二人は追うなと言っていた。
だが、ここで追いかけなかったら…。
もしかしたら、あの二人はこの事を元々知っていて。
俺が、こいつに付いて行く事が自分達にマイナスになると考えたのでは?
二人を疑い始める。
次第に怪しさだけが際立ち、思考のループから抜け出せなくなる。

新一は二人の事を信じられぬまま電話をかける。
まだ、二人を完全に信じたわけではない。
だが、目の前で次々と起こる事が当てられていたこと。
そして、彼等が自分に話をした時に心配そうにしていた様子を思い出して…。














PIPIPI〜
  PIPIPIPI〜

私と快斗がマンションでマジックの種を作っていた時その音は響いた。

快斗「なぁ…今の音って…」

『えぇ…追った見たね、私達も行きましょう…』

私と快斗は素早く変装すると、パラグラインダーと翼で飛び立つ。
急いで居ると言うのに、私もキッドも風の向きが悪くスピードが出せない。

キッド「アリス嬢っ!降りて走った方が早い!」

『えぇ…でも、さすがに距離が開きすぎてて…私が本気で走っても、途中で動けなくなる!』

キッド「私も本気で走りますから、貴方ほどスピードは出ませんがね…。」

アリスとキッドは地面に降り立つと颯爽と走り始める。
キッドはアリスに走りを教えてもらったため、以前よりも早く走れるようになった。
だが、アリスの方がスピードはでる、その分持久力で差をつけれるが…。



 私とキッドが電波が発信されていた場所にたどり着いた時には、周りは暗くなっていた。
ハァハァと弾む息を何とか整えながら、二人は辺りを見回す。

キッド「アリス嬢っ、電波の位置はどうなってますか?」

『少しまってください、今、見ますから…』

私が電波の位置を確認した時、私はついつい固まってしまった。

『ぇ…あの…キッド電波の位置が変わっては居るのですが…』

キッド「…は?何で警察何かにいるのでしょうか…」

『…キッド、遅かったみたい、取りあえず警察に向かいながら話します』


 私はキッドに、黒の組織の薬の事をもう一度説明した。
その時に子供になった、という事を前に話していたため、直ぐに会話は終わりった。
そして、警察署の前にたどり着いた私達は頭を悩ませる…。

『私…人さらいは始めてかも知れません…』

キッド「いえいえ、私も初めての事ですから…」

二人は一瞬だけ、緊張した気配をだすが、直ぐに気を取りなおすと、署員へと変装した。
潜入は案外簡単な物で、署員の服装をした物を疑う者はほぼ居ない。

キッドと二手に分かれ情報を手に入れる。

キッド「(アリス!見つけたぞ! ○○○号で"保護"されてる少年がいるって!)」

『(えぇ、わかりました、直ぐにそちらに行きます)』


二人が扉の前で落ち合った瞬間。
中から子供の声が聞こえ、顔を見合わせる事となった。

??「オレはボウヤじゃない!高校二年生だ!!」

キッド「(アリス…完全に子供の声が高校2年だと言い張ってますが…)」

『(工藤新一がココに居るのは間違いでは無かったわね…)』

キッド「(保護者が見つかったと言う事にしてこちらが保護しますか…。)」


二人は軽く打ち合わせをすると、ユィはコナンの母として大丈夫であろう年齢に変装した。

コンコン。

キッド「失礼します。今そちらの子供の母親とおっしゃる方が引き取りにいらっしゃいました」

署員「おぉっ!助かった…何かこのガキ何とかゴッコみたいなのしててなぁ…」

キッドと署員の話を聞きながら、新一は体を強張らせる。
引き取りに来たと言う人物が、あの黒い服の男達の仲間じゃないとは言い切れない。
だが、このままココに残る事も出来ないだろう。

新一「お…お母さん来たの!?僕…お母さんとお家に帰る!」

慌てた様子で変装したキッドに気付かず、キッドの手を取ると、「早く早く」とせがむ。

キッド「扉の前でお母さんはまたれてますよ」

新一「は…は〜い!ごめんなさい、警察のお兄さん!僕帰るね!」

署員「あぁ、余りイタズラしてるんじゃね〜ぞ!」

新一「うん!わかったぁ!」


新一は扉の前に立つ女性の手を掴むと、先を急かすように警察署内から、出て行った。



警察署が見えなくなった瞬間、新一は警戒をあらわに手を握る女性を見上げる。

『そんなに警戒しないで下さい。貴方が困っているだろうから来たのですよ。』

女性からする声に、その喋り方に新一は一瞬緊張を緩めると、眉間に皺を寄せた。

新一「どういう事だ、お前…俺がこうなる事を知ってたのか!?」

『だから…忠告にキッドと行ったんじゃ無いですか…。」

キッド「そうそう、私達の忠告を無にしたのは、名探偵、貴方なのですよ?」

新一の後ろから突然かけられた声に、新一は慌てて振り向くとソコにはキッドが居た。
驚き女性を振り返ると、変装を解いた怪盗アリスが立っている。


新一「とりあえずは…、こんな所で話す話しじゃねーし…俺の家にくるか?」

『フフフ、探偵さんのお宅訪問なんて、光栄ですね…』

キッド「そうですね、喜んでお邪魔させていただきましょうか」


クスクスと笑うキッドとアリスに両手を持たれ、不機嫌顔のまま歩く新一であった。
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