怪盗キッド
□第二章
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盗一の死から、8年。
海外で、盗一の妻から連絡を受けた。
― 怪盗キッドが復活した。
ユィは知らせを受けて、手続きを済ませて行った。
盗一の妻にも、帰る事を伝えた。
そして、ユィは、日本へと飛び立った。
日本についたユィは、早速盗一の家へと向かった。
『こんにちは〜!』
元気な声が玄関から響き、盗一の妻は急いで扉を開けると、大きくなったユィが笑顔でお辞儀してきた。
「元気、だった?」
ユィの元気な姿に、久しく見る事の無かった笑顔に、涙が溢れそうになる。
「とりあえず、入って。
今は快斗も学校に行ってて居ないから静かでいいわよ〜♪」
『お邪魔します〜!わぁ…私、お宅にお邪魔するの初めてですよねぇ…。
何だか、少し緊張しますねぇ』
二人はニコニコと笑いあい、今までどうしていたかをお互いに話し合っていた。
『あ…そういえば快斗が怪盗キッドを継いだと連絡を受けましたけど…。
怪盗アリスの事は…』
「あぁ!まだ言ってないのよ♪
やっぱり…ユィちゃんが一緒に組むとも決まっても無いし、言っちゃうとユィちゃんが組みたくないってなった時に悪いでしょう?」
『フフフ…私は組みたいですけど…怪盗キッドがどう答えるか…わかりませんからねぇ…
それに…私の事を覚えているとは思えませんし…』
ユィの曇った顔に、盗一の妻も顔を曇らせた。
「そう…ね…。
快斗は忘れてしまっていると思うわ…
でも、きっと思い出すと思うの。
だから、今からはじめましてって言って思い出した時に思い出すの遅い!って怒っちゃえばいいのよ♪」
『あはははははは!奥さんやっぱりいい性格っ♪』
「ユィちゃん、もう奥さんじゃなくて、お母さんって呼んでって何度もメールで送ってたのにっ!!
お母さんって呼ばないと…それに敬語やめないと返事しないわよ??」
ニヒル?に笑う盗一の奥さんにユィは少し笑顔を引きつらせながら、上目使いで頬を染め
『お・・・お母さん?』
母「きゃ〜!可愛いっ!!!
あっ!そういえば、ユィちゃん今日帰ってきたのよね??一応マンションの方は綺麗になっててお布団も新しいベッド入れちゃってるから直ぐに帰って困るって言ったらご飯位になってるわよっ
きちんとお洋服も入れてるしね〜♪」
『ほ…ホントに!?そこまでしてくれてたんだっありが…とう、お母さん!』
母「そうそう、ユィちゃん、今日は快斗がキッドをする日なんだけど、今日は見物は禁止よ?
帰ってきたばかりなんだから、怪我とかしないように、家でおとなしく、ね?」
『大丈夫…何けど…
でもそうだよね、久々に帰ってきたから家とこの家の場所しかわからないから迷子になっちゃうか〜
じゃあ、今日は家でゆっくりと夜景を眺めながら…ワインでもっ!!!』
母「ふふふ、未成年なのにこの年で酒豪〜?」
『いやいや!なめる程度?かなぁ
コップ一杯飲むとクラクラするから
余り飲まないよ〜』
母「ふふふ、お酒もタバコも、未成年なのになぁ〜」
『あ゙〜タバコまでばれてるし…』
ユィと母は、ニコニコと笑いながらそれから数時間は話し合っていた。
そして、ユィは快斗が帰ってくるまでにと、マンションに帰っていくのであった。