高遠遙一
□拍手ログ
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「ただいま帰りました」
「わっ、高遠さん!」
背中に温もりを感じて振り返ると、今イギリスから戻ったばかりの高遠がいた。
「おや、そんなに驚くとは心外ですねぇ」
「意外と帰りが早いからですよ。だって電話があったの、10分くらい前じゃないですか」
「ふむ、確かに」
「それにご飯まだ途中なんですよ。時間かかるけど大丈夫ですか??」
見ると確かに彼女の手には中途半端に皮をむかれた野菜がある。
「それは失礼しました。今夜はビーフストロガノフですか。待ちますが、貴女にしては豪華ですね」
「高遠さん、失礼です。…それより、いい加減離れてもらえません??支度できません」
そう、さっきからずっと後ろ抱きしたまま離さないでいる。
「久しぶりに抱き締めましたからね。ふわりとした感触が堪らなくて」
さらりと言ってのける高遠の発言に、つい頬を染めてしまう。
「照れてますか??可愛い人ですね」
「高遠さんっ!!」
今夜の食事は随分遅くなりそうだ。
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