story
□一緒だから
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「本当にやるんですか」
「良いだろう?私だってやるんだ」
ふと喜八郎は天井の木目を見上げた。
仙蔵が剃毛をしたいと言い出したのは何故だろうか。するとヌルついた感触が陰部に触れた。
「う…気持ち悪いです」
「我慢しろ」
剃刀の刃がひやりとした冷たさを伴って当てられた。思わず鳥肌が立つ。
「大事な所を切られたくなければ動くなよ?」
しょり、と微かな音が耳に入る。所詮はまだ産毛、剃るのは容易らしい。
「出来たぞ。ほら、綺麗になった」
「…じゃあ次は先輩ですね?剃刀貸して下さい。先輩は下脱いで」
「途端に喋るな、お前」
この時を待っていたんだから当然だと思う。
僕は先輩が追い詰められている顔が大好きだから。さあ、先輩早く―…
私は、綾部と同じ立場になってみたかったのかもしれない。私が綾部を愛する様に私も綾部に愛されたい、と。
「先輩、いきますよ」
刃が私のソコをこそげる。綾部がかなりの頻度で大丈夫ですか、と聞いて来るので一度だけ答えた。
綾部は剃刀を退かし、見えるようになった肌を指で辿った。
「すべすべですね」
「お前もな」
ぶつかった視線に煽られ、どちらからともなく口付けを交わした。
「…先輩、」
「ん?」
「ココ…擦り合わせたら、どうなりますかね?」
不適な笑みに私も笑顔で返してやる。
「やってみるか?」
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