今、再び
□6話 戻ってきた
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奈穂は鬼兵隊の船の高杉の部屋にいた。
そしてご飯を食べていた。
<高杉>いつぶりだろうな。おまえとこうして食事をするのは。
奈穂>ずっと前。
<高杉>そりゃそうだけれどよ。
二人はなんとなく気まずくてしゃベらなかった。
そうしているうちに、食べ終えてしまった。その時奈穂が口を開いた。
奈穂>なぁ、晋助。
<高杉>あん?
奈穂>破壊なんて止めねぇか?
高杉は悲しそうな顔をした。
<高杉>俺は松陽先生を奪ったこの世界が許せねぇ。だから、壊す。おまえの言うことでもこれだけは止められねぇ。
奈穂>でも、俺も銀時も小太郎も、おまえを斬りたくないと思ってる。そこも考えてくれねぇか?
<高杉>俺が破壊を止めたとして何がある。
奈穂>それは破壊をしてても一緒だろ。
二人の間を沈黙が流れた。
奈穂>正直、俺も反対じゃない。
<高杉>だったら!!
<ゆりな>でも!!・・・・・・・・・それでも、江戸に住んでる奴等のことを考えたら壊せねぇよ。晋助、破壊にもいろいろあるだろ。破壊するのに反対はしない。だけど、江戸ごと壊す必要はない。なんなら真撰組だけを壊すとかできるだろ。
<高杉>・・・・・・いいぜ。おまえがそこまで言うなら狙うのは幕府だけにしてやろう。
奈穂>晋助!!
<高杉>ただ、条件がある。
奈穂>なんだ?
<高杉>おまえが、鬼兵隊にはいることだ。
奈穂>!!
<高杉>勝手なのは分かってる。だけど俺は、おまえに傍にいてほしい///
奈穂>・・・そんなのお安い御用だぜ。
<高杉>奈穂!
奈穂>ただ、一つ聞きたい。銀時や小太郎とも普通に接してくれるか?
<高杉>ま、幼馴染だからな。
奈穂>よしっ、のった。今日から俺も鬼兵隊のメンバーだ。
奈穂は高杉に手を差し出した。
奈穂>宜しくな。
<高杉>あぁ。
高杉も手を握り返した。
再び、幼馴染が敵ではなく、仲間として集った瞬間だった。