今、再び〜過去編〜
□2話 笑顔
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翌日。
奈穂は高杉の部屋の前に来ていた。すると中から襖を突き破って桂が吹っ飛んできた。
奈穂>!?
桂はむくりと起き上がると、「貴様等〜!!」と言いながら部屋の中に入っていった。
奈穂が部屋を覗くと三人が取っ組み合いをしていた。だが銀時が奈穂に気付き、取っ組み合いは終了した。
高杉>何かしたいことはあるか?
奈穂>遊んだことなどないからどういうことをするか分からない。
銀時>定番の鬼ごっこでもしますか。
桂>うむ。そうしよう。
三人は奈穂にルールを説明した。そのあとジャンケンをし、(ジャンケンのルールも説明した)高杉が鬼となった。
高杉>10秒数えてやる。
三人は逃げた。
奈穂)餓鬼が相手などちょろいもんだ。
高杉が奈穂を見つけて追いかけてきた。5m程、後ろにいる。が、次の瞬間には奈穂のすぐ後ろにいた。
奈穂)!? 速い!
奈穂はタッチされた。しかしなかなかに三人を捕まえられない。
銀時と高杉がからかってくる。
奈穂>お前等を普通の餓鬼として見ない方がいいな。
銀時>気付くのが遅せぇよ。
でもだんだんと鬼ごっこがエスカレートしていき、いつの間にか殴りあいになっていた。(どうやったらそうなるんだ)
銀時が「鬼ごっこはどうなった!?」と言って殴り合いは終わった。
三人は疲れて縁側に大の字に寝転んだ。しばらくして高杉が口を開いた。
高杉>どうだ?楽しいだろ?
奈穂>よく分からんが今まで感じたことのない気持ちだ。またやりたいと思っている。
高杉>それが楽しいってやつだ。
奈穂>・・・そうか。
奈穂は呟いた後、二コっと笑った。
それを見た三人は驚いたが、やがて嬉しそうに顔を見合わせて笑った。