未定

□第3話【意外とチョロい…?】
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…昨日何の前触れもなしにいきなり来たんだ。
同棲出来なければ、退学にする、そう脅されて。
親が買い物に行ったまままだ帰って来てなかったのが幸いで、部屋に無理やりおしこんで閉じ込めたんだっけ。

…パズルのピースがハマるように、するすると繋がる記憶。思い出せたことに、ひと安心するも。

「これからどーしようね」
シェリーメイを抱いて、1人呟く。
…募るのは不安感。だってだってだって。
男だよ?しかも2人。
男なんて家に連れてきたことも、行ったこともない。
昔から男勝りだったから…崇められてたんだよね。

「これからホントどうしよ…」
でも愚痴ばっか言ってても、何も始まらない。行動しなきゃ。

そう思って、腰掛けていたベッドから立ち上がったその瞬間、

フラリ。
目眩がした。

あ、ヤバイな。
そう思ったけど。感じたのは床の冷たい感じでも、固い感じでもなく。ベッドの柔らかい感じでもなく。
…感じたのは、人の温度。
腕の感触。
強引な感じはちっともなくって。不覚にも心地よさを感じてしまった。

「おはよ。初瀬」
そう言ってあたしからゆっくりと手を離したのは…
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