駄文

□雪道
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学校の帰り道、男鹿君と一緒に、雪の積もった道を歩いていた。
今日は古市君は風邪を引いて休んだらしい。プリントを預かっているので、届けに行くんだそうだ。

男鹿君は男らしいいい男だ。僕みたいなおどおどした、今まで色んな人から馬鹿にされてきたようなの相手でも、古市君に対してとなんら変わらない態度で接してくれる。もっとも、古市君とは付き合いが長いせいか、随分ぞんざいな感じがあるが。少し羨ましい。


「男鹿君、寒いね〜。」

「そうだな。」

「古市君、風邪早くよくなるといいね。」

「そうだな。」

「       」

「・・・あ?何か言ったか?」

「ん、明日は平和だといいねって。」

「何だそりゃ」


男鹿君は苦笑する。

良かった。小声で言ったから、男鹿君の耳には届かなかったみたいだ。雪は、音を遮断するって、どこかで聞いた事がある。


僕はもう一度小さく、男鹿君、好きだよ、
と呟いた。

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