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□本日、○月○日
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『ねぇ、土方さん、来週の月曜日は何の日だか知ってやすか?』
一昨日、アイツに言われた言葉。
楽しそうに笑う、その亜麻色の言いたいことがわかった俺。
でも、なんだかすごく、恥ずかしくなって、
『知らねぇ』
って、答えた。

来週の月曜日とは、2月14日。
すなわち世でいう、バレンタインデーのことを指している。
そうなれば、簡単に予想はついた。
こいつのことだからどうせ、チョコレートをくれとか言ってくるのだろう。

『またまたぁ〜〜〜、しらばっくれちゃって素直じゃないですねィ』

妙に楽しそうな蘇芳色の瞳に覗き込まれる。
土方は顔面を耳まで赤くして俯いた。

『まァいいや……土方さん、来週…楽しみにしてやすからねィ』

それだけ言い残すと彼は、カツカツと靴音を鳴らして去っていった。



そういえば、あの時……。
もっと問い詰められるかと思ったのに、案外あっさり引き下がって驚いた。

って、そうじゃなくて!!
問題なのは、いま俺のいる場所で……。

今日土方は、大江戸デパートのお菓子売り場に来ていた。
目的は、もちろん沖田に渡すチョコレートだ。
本当は、山崎に言って買いに来させてもよかったのだが、意味深な質問をされたり視線を向けられるのは御免被りたいので、やめた。
というわけで、今ここにいるわけだが………。
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