Starry☆Sky

□ 補講授業
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「七海ぃー」
教室をから出ようとした七海を呼び止めた。

「何すか?」

「お前今日補習な」
笑顔で肩を叩く。

「何で!?」
「お前このままだと進級出来ないぞっ」

「でも…」
「分かるまで教えるからッ」
笑顔で言うと観念したのか

「分かりました」
と言った。

昼休みも半分が過ぎ、裏庭で日向ぼっこをしていた。

いつもは生徒に混じって遊んでいるが、
放課後に補講を控えていたので体力を温存しておきたかった。

ウトウトしていると
何だか騒がしい。

声をがする方を見ると、

そこには3年生が3人ぐらいいた。
しかし、その3年生は走って行った。

何かから逃げるように…

何かを確かめるとそこに居たのは
七海だった。

「なーなーみー」

「げっ…」

「お前はいつもいつもー!!」

近づくと七海は走って逃げる。

「ば…ばかッ!!今走ったら…」

慌てて追いかける。
「七海!!止まれ!!」
七海は徐々にスピードが落ちていく。

「マズイな…」
もう下を向きながら走っている。

「七海!!前ッ」

七海に向かってボールが飛んでくる。

「マジかよ…」
七海は構える。

「くそっ」
思いっきり走り、七海を庇うように土手へと倒れこむ。

「いッ…」
腕に擦り傷が何箇所かできた。
しかし、今はそれどころでは無い。

「七海っ…七海!!」
身体を揺する。
「う…うーん…」

「七海!!しっかりしろ!!」

「陽日…セン…セ…?」

「よかった」
ギュッと抱きしめる。

「ばかッ…逃げる事ないだろ」

「だって…追いかけるから…」
七海は頬を染める。

それにつられて俺まで赤くなる。

「と…とにかく無事で良かった。俺の生徒に怪我があっちゃ困るからな」

七海を見ると何故かしゅんとしている。

「七海?」

「…授業遅れますよ」

「あぁ…」
その後、あの七海の顔が忘れられない。
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