Starry☆Sky

□忘れ物
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それから数時間。

「やっと終わったー」

窓を見ると綺麗なオレンジ色の空。

颯斗はとっくの昔に帰った。

そして俺はソファーへ行く。

待ちくたびれた七海は静かに寝息をたてている。

なんでこんなに無防備なんだ?
襲われたいのか?

キスをしようと顔を近づけると七海が目を覚ます。

「わっ…」

一気に顔を赤らめる。

「帰るぞー。支度しろ」

「は…はい。」
本当にからかいがいがある。

「あ…ちょっと職員室行ってくるからちょっと待ってろ。」

「……はい」

七海はどこか悲しそうに笑う。

「?」
気になったが、とりあえず保健室に向かう。

今日の昼休み…

バレーボールが一年に向かって飛んで来たのを代わりに当たった。

左腕が腫れてしまったので
湿布をもらいに行く。

「かーずき」
後ろから声がする。

「桜士郎…」

「また誰かを守って怪我したの?」

「この力で誰かを守れるんだったらそれでいい」

「ずるいな一樹は…。でも必ずしも一樹の思いが届くとは限らない」

珍しく真剣な顔をする桜士郎に戸惑う。

「何が言いたいんだ?」

「お前の彼女は特にね…。あいつは『守られたい。』じゃなく『守りたい。』だから一樹が自分を犠牲にしてまでもあいつを守ったら…どうなっちゃうんだろうね」

いつもの調子に戻るが目は全然笑っていない。

「お前に俺と七海の何が分かる?」

「早く行かないと。彼女が待ってるよ」

話しをそらし桜士郎は帰って行った。

が、一度だけ振り返り
「これは警告だ。」
と言い俺の返事を聞かずに帰った。
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