novel
□ディンドン
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「ん?なんだ、不二 」
「 ..あのさ、なん...ふぇ?!」
「 さあ、大石!不二も行こ 」
「 ...? 」
「 行こって、英二.. 」
不二の口を塞いだまま肩を抱き、大石の腕をとり出て行こうとする菊丸。
すると口を塞がれた不二はじたばたと抵抗しだしたので、菊丸は慌てて手を離した。
「 ご..ごめん、苦しかった?」
恐る恐る菊丸は聞くと、不二はニコリと笑い「僕まだ着替えてないよ」と言いながらロッカーに向かった。
「 あの...英二 」
「 大石!訳は後で...ね?」
全く状況を読めないでいる大石に菊丸は小声で両手を顔の前に合わせ上目遣いになる体勢で大石にお願いする
「 ...ああ、わかったよ 」
菊丸にお願いされると弱い大石は微笑み返した。
「 じゃ、お先っス 」
全く蚊帳の外状態だったルーキーはそう言うとドア前に立っていた二人の横を通り過ぎようとした
....とこで
「 越前、越前も一緒に行こうよ 」
「 へ? 」
「 は? 」
「 .......」
上から菊丸、大石、越前。3人は不二の突然の提案にそれぞれ別の思考で驚いていた
「 ....ダメかな。大石 」
「 え?...ダメって何が」
「 わーわー!いーって!おチビが一緒でも!なっ?大石 」
「 ...ほんとに? 」
「 ...あ、ああ 」
大石はわけわからないままに返事をする。話の流れ上越前の同行を承諾した菊丸だが、内心は面白くなかった。
「 よかったね、越前 」
「 ...俺、行きたいなんて言ってないっスけど 」
ニコリと笑い不二は越前の返事を受け流す。そんな不二に適う訳がない越前は同行することになった
「 じゃあ僕着替えないと! 」
不二は急いで着替えに入る。
結局大石にはわけわからないまま、菊丸、不二、越前と共に学校を後にする。
そして話は冒頭に至る