novel
□眠りの浅瀬
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「「 ? 」」
「 いやいやいや....そんな何のこと?っちゅー顔はおかしいやろ! 」
白石がガバッと起き上がりベッド脇に座る
「 ...あ、これ? 」
これ....二人が一緒のベッドに入っていたことを白石はツッコんでいる..と気付いた幸村が呑気に声を上げる
「 不二が寂しくて眠れないて言うから、
俺が添い寝して子守唄を歌ってあげようと思ってね 」
...なんか一つ足されてる..
不二がきょとんと幸村の発言を聞いていると白石が立ち上がり二人が眠るベッドサイドまでやって来た
「 不二くん.....なんで幸村くんに頼んだんや 」
「 ....白石? 」
白石が哀しげな顔で不二を見下ろすものだから不二は「頼んでないんだけど..」等とゆう反論がしづらくて黙っていた
「 俺の方が.... 」
白石がぽつりと口を開く
「 ....え? 」
不二が聞き返す
「 俺の方が....
絶対歌うまいんに!! 」
「 は? 」
不二は「ツッコむとこそこ?!」と思いながら呆然と白石を見つめていると、不意にすぐ横から黒いオーラを感じ、隣を向くと今まで黙って二人の話を聞いていた幸村が不機嫌オーラ全快に白石を睨んでいた
「 白石...君が俺より歌が上手いとか下手とかそんなことどうでもいいんだけど
...うるさい 」
「 ..... 」
うるさい云々より白石の言葉の方に不機嫌になったな...て不二は思ったが、万遍の笑顔で言う幸村が逆に怖く感じて余計なことは言わないでおくことにした
「 そやかて... 」
幸村の一喝(?)に白石が少ししょんぼりと肩を落とした
「 俺一人てなんや寂しいやないか 」
「 さ... 」
寂しい?!
まさか白石が寂しいなんて言うとは思わなかった二人は固まる
「 ちゅーわけで、仲間入れてや 」
パッと切り返して先程までとは逆に語尾にハートが付きそうな言い方で白石は機嫌良く言うと二人の布団を捲り上げた
「 え? ちょっ...
ここに眠るの?! 」
「 ええやんか、幸村くんは良くて俺はあかんの? 」
「 ...あかんくないけど..」
「 ほな、詰めてや 」
幸村と不二を無理矢理詰めさせて白石は一緒のベッドに入って来た
「 なんで、こうなんの? 」
不二は二人の真ん中に挟まれて身動きが出来ない
「 ...君まで寂しがり? 」
「 寂しい?寂しいんは不二くんなんやろ? 」
「 .....ドイツだからね 」
「 あぁ...なるほど 」
真ん中の不二を挟んで勝手に会話を進める二人を不二は呆然と眺めてため息をつく
でも、二人の温もりを感じつつたまにはこんなことも悪くないかも....
なんて不二は密かに思いながら瞳を閉じた
「 にゃにこれ... 」
翌朝、朝食の時間になっても部屋から出てこない3人の様子を見に訪れた菊丸、真田、財前は絶句した。
小さなベッドに3人仲良く一緒に眠っていたのだから....
(不二と幸村に占領されて白石はベッドから落ちそうだけど)
「 た、たるんどる!! 」
バタッ
(白石がベッドから落ちた)
#end