novel
□眠りの浅瀬
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※部屋の間取りなど原作とは違うと思いますがご了承ください。
U-17選抜の合宿の夜。 深夜も0時を回ったところ、眠れぬ夜を過ごすものが201号室に一人...
「 なんでかなぁ...昼間あんなに練習したのに 」
「 ....二人ともいいなぁ 」
両隣のベッドを見ると白石と幸村は寝相よく眠っていた、不二だけが眠れずにいるのだ。ベッドに潜り1時間以上は経過しているが一向に眠くならない。
先程から寝返りを何度もうっている。そして丁度幸村の眠るベッドの方に身体を傾けた時いつのまにか目が覚めていた幸村と目が合った
「 .....眠れないの? 」
幸村がこちらに身体を傾けて優しく微笑む。
「 ごめんね、起こしちゃった? 」
不二は申し訳なさそうに幸村に返事を返す。
「 いや、大丈夫だよ。気にしなくて 」
そう言うと幸村はムクリと上体を起こした
「 眠れないなんて、何かあったの? 」
「 .....特には、何も 」
暗闇の中で不二の顔が微かに曇ったのを幸村は見逃さなかった
「 そっか...寂しいんだよね 」
「 え? 」
「 ドイツ...は遠いね 」
「 .... 」
幸村の発言に不二は一瞬固まる..がすぐに我に返り
「 そりゃ、ちょっとは寂しいよ。急にだもん 」
「 ちょっと...かい? 」
そう言いながら幸村は口元に手を添えてクスリと笑う
「 ...ちょっとだよ! 」
不二はそう言うと掛け布団を頭まですっぽり被ってしまった
「 はは、ごめんごめん。
どうせ、そうやって潜ってても眠れないんだろ? 」
「 ...... 」
幸村は不意に自分のベッドを抜け出すと不二の眠るベッドの前方で立ち止まる。
....そして
ガバッ
「 え?...ゆき、
?!...うきゃあ! 」
不二の悲鳴めいた声が部屋に響く....
幸村は何を思ったのか突然不二の被ってる掛け布団の足元を捲り上げた。
不二が驚き反応する間もなくそこから素早く中に侵入し不二と一緒のベッドに入って来たのだ
「 びっくりした? 」
「 ....したよ、」
間近で見る幸村の綺麗な顔に少し照れて目を反らす不二、なんだかちょっと気まずくて口を開いた
「 ....あの、幸村? 」
「 不二が寂しくて眠れないって言うから添い寝してあげようかなって思っただけだよ 」
だけだよって....男同士で同じベッドって...てゆうか寂しくて眠れないなんて言ってないのに!
不二が心の中で密かにツッコミを入れていると隣のベッドでもごそごそと人が動く気配....
「 なんや...こんな夜中に.. 」
白石だ。恐らく先程の不二の悲鳴で目を覚ましてしまったのだろう
「 ...ごめんね、起こしちゃって 」
不二は白石にも申し訳なさそうに謝る。特に白石は健康的な生活を好む故に朝が早い。
「 ごめん、うるさかったかい?
.....不二が 」
幸村がクスリと笑いながら最後を少し強調した。
「 ゆ、幸村が驚かすからじゃないか 」
「 でも、うるさかったのは不二だろ(クス) 」
「 ...う.. 」
そんな二人のやりとりを見ていた白石は今の二人の状況に目を見開き固まる
「 .....え?自分ら、何しよるん? 」