novel

□愛に行く
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俺が小春の指を差した方を見てみると


財前がストレッチをしているのを不二が甲斐甲斐しく手伝っていた


心なしか不二くんの頬がほんのり赤く見えるんやけど....






「 なんかあの二人お似合いねぇ 」




小春まで頬染めとるし!なんでやねん




「 財前もなんや楽しそうやな 」


いつのまにか謙也までストレッチする二人を眺めとるし


つか...財前が楽しそう..て、....たしかにそう見えなくもない....






「 自分たちの世界に入ってもうてるねぇ 」



ちょっ小春...うっとりとした目になるなやキショく悪いわ....












「 すまんなぁ、白石 」


突然謙也が俺の肩に手を置いて謝って来た


「 なにがや? 」



「 さっきの話....聞かなかったことにしようや 」




「 は? 」


「 だから、不二がお前にラブラブな話 」




「 ...... 」


なんやそれ!....いや、別に構わへんけど!!




....けど、なんやこの焦燥感は!なんか気分悪いわ




「 蔵リン顔がこ・わ・い



や・き・も・ち? 」


小春が俺の眉間の皺を指で触って来た




「 や、やきもちってなんでやねん! 」


それじゃあまるで俺が不二くんのこと........




こと?......



「 れ、練習再開するで!




財前!!いつまでストレッチしとんねん! 」



「 あ、すんません 」

「 財前くん、がんばってね 」


「 ....はい 」






不二くん耳まで赤いやん!

それに財前まで何頬ほんのり赤くしてんねん!!



....なんやイライラするわ



俺の背後で「嫉妬や嫉妬!財前に不二捕られたからに」なんて声が聞こえる


もう勝手に言わせとく。


でも嫉妬とちゃう!


でも、なんや腹立つから
今日は財前に少し厳しくしたるわ。




言っておくけど

これは部長としての愛情で...やで?





#end
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