byfarst

□[U]
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「この世界のこと、教えてやる」

「…じゃあまず君たちについて質問だ、君たちは何者だ?どうして俺に記憶がないことが分たんだ」

一応わからないように隠してたつもりだった

もちろんこの世界の事、知らないわけだし

奇妙な行動はとってたかもしれないけど

「俺らは妖精だよ」

「妖精…って、天使みたいなの…?」

妖精って、美しいものか、

怖いものだっけ、

そんなの覚えてるわけない…

「俺らは天使じゃねぇ、天使の座から降格された存在、天使より美しくない、神々しくもない、力さえ上まれない」

ヴァンが瞳を閉じて静かに言うとジャンは笑った。

「まぁさ、天使とは大違いってこと、な?」

「あ、あぁ…」

なんだ、

すごく否定するから何かあるのかと思ったけど…

探られたくないみたいだな。


「じゃあこの世界は妖精の世界なのか?」

「んな世界は簡単にできてねぇよ」

あっけなく否定されたから少しイラっときたけど今は気にしないでいこう。

「この世界には妖精の国、フェルと人間の国、修羅の国、が存在する」

「フェル、と修羅の国…?」

「そうだ、ここはフェルの東部、エルミナスの村。」

「…へぇ」

この世界の事、初めてしったようじゃない。

やっぱり自分はこの世界にいたものだ…

ちょっと安心感。

だって、この世界にいないものだったら、いろんな疑問が生まれるし、俺はどっからきたんだよ、ってなるし


なにより



悲しいだろ



「じゃさ、俺は妖精…?人間…?」

「……この村には人間は入れない」

「だからお前は妖精のはず、なんだけどなぁ」

「…違うのか…?」

二人が顔を合わせてこっちを見るからなんだか不安になった。

もしかしてどっちでもないとか

でもこの村には人間は入れないんだろ、

俺は入れたんだ、なら、妖精…じゃないのか…?

でも目の前の二人は疑問を浮かべる表情をしている、

何がおかしいんだ…?

「…じゃあ俺は人間?」

「うーん…」

ジャンが少し考えてヴァンを見た、
ヴァンは何も言わなかったがジャンは頷いた、

二人しかできない、会話、かな…


「フェルにいる妖精はなフェルにいるときだけ神の加護を受けられる、怪我なんかはめったにしないし、しても、治るっつーことなんだけど…」

何となく言いたいことが分かった

話を戻すと、

俺は最初大怪我してた、っていう話だろ

「じゃあ俺は妖精じゃないのか、でも人間はこの村に入れないんだろ」

「だから、おかしいんだよ。」

「…へぇ」

これ以上考えても答えは出てこないし。

疑問を増やしたくない。

自分のことがわからない自分って、いやだな

「俺はこれからどうすればいいんだ?」

こんな質問されたら困るに決まってる、

そんな事知ってて俺は質問するんだ。

俺は、迷惑な奴

「…ここにいれば?」

「…え」

俺を助けてくれた青年たち。

俺を、まだ面倒みてくれるのか

優しい奴らに出会えてよかった



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