×グレイ

□草原に吹く風
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俺とグレイがギルドを離れてから、半年がたとうとしていた。
草原の上に吹く風に、髪を揺らされながら嬉しそうに笑うグレイを見て
俺もグレイに笑みを向ける。

それは半年ほど前のこと。

いつもと変わらない日々。

笑顔の耐えないギルド。

俺はその頃にはもうすでにグレイと付き合っていて、人生の中で一番幸せだと思っていた。
それが、いつまでも続くことを願っていた。
相変わらず喧嘩をすることは多かったけど、それは俺たちなりのコミュニケーションだったし、
喧嘩をしても、その後絶対に笑顔が見られた。
いろんなことがあったけど、それもこれもグレイや、ギルドのみんながいたから乗り越えてこれた。
なのに。

ある日突然、グレイが倒れた。
医者に診せたら見たこともない病だと言われた。
そして、おそらくもう時間はあまり残されていないのだということも。
それを聞いて、俺もみんなもただただ泣くしかなかった。
なのに、当の本人はずっと笑っていた。
まるで他人事のように。
「ごめん。」と謝りながら。
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