×グレイ
□Dead or Alive?
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「かりそめの自由は楽しめたか?エルザ。」
そう言い放ったグレイの声は。いつものグレイからは想像できないくらい、恐ろしく、冷たい声だった。
ナツとエルザは苦しそうに顔を歪めた。
それは、二人が頭の中のどこかでグレイの正体を知ってしまったからか。
―――――――信じられない。否、信じたくない。
信じたくないと思うのに、これは悪い夢だと思いたいのに、ナツたちを見るグレイの目が、グレイの存在が
これが夢じゃないと、現実だということをつきつける。
一緒に過ごし、一緒に笑い、共に戦ってきたこの7年間。
グレイは心の底から笑っていたはずだった。
ならなぜ、グレイは今俺たちの敵・・・エルザを、仲間を傷つけたジェラールの隣に立っているというのか。
「・・・んで、なんでだよ。グレイっ!!!」
「・・・・・・。」
グレイはナツの問いに答えることはなく、ただ沈黙を貫いていた。
漆黒の瞳にはいつもの暖かさや光はない。
ただ、ナツたちを映しているだけ。
ナツは更に拳に力を込める。
「答えろよ、グレイっ!!!!」
「・・・・・・敵、だから。」
「っ!!!」
「俺はお前たちの敵で、ジェラールの味方。だから俺は、ジェラールの隣に立っている。」
それ以外に何の理由がある?とでもいいたげな目線を向けてくるグレイ。
それ以上何も言うことができなくて、ナツはただ唇をかみ締め、怒りや悲しみに耐えるしかなかった。
後ろの方でエルザのすすり泣く声が聞こえた。
グレイが今まで俺たちを・・・家族(ギルド)を裏切り続けていたなんて。
そんな中で、ジェラールの狂ったような笑い声が響いた。