×グレイ

□炎と氷の日常レポート@キャンディー
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その頃、グレイはというとエルザからもらった箱をミラさんのいるカウンターで開封作業をしていた。

「ふおおお・・・!!」

箱の中にはカラフルなキャンディーが詰め込まれていた。

赤、青、ピンク。丸、星、ハート型。それはもう宝箱に入っている宝石みたいにキラキラと輝いて見える。

グレイがその中の一つを取り出し、口の中にころんと転がす。

「うっめぇなぁ、やっぱ甘いモン買うならスイートベリーだなっ!」

グレイの顔が満足そうに綻びる。

おいしそうに食べるなぁ・・・。てかグレイ見てたら私まで甘いもの食べたくなってきちゃった。

だって本当においしそうに食べてるんだもん。

今ダイエット中だけど、飴ひとつ位いいよね?

私はグレイの隣の席を陣取り、愛想のいい笑顔を浮かべる。

「ねえねえ、グレイ!そのキャンディー、1個くれない?」

もともと数が少なかったのか、すでに箱の中のキャンディーは残り2個しか入っていなかった。

うんうんと唸っているグレイの横でひたすらお願いと言い続ける。

「う〜ん・・・まぁいっか。ほい、どーぞ。」

そう言って差し出してきたのは黄色の星型のキャンディーだった。

色から察するにレモン味か何かだろう。

さっそくもらったキャンディーを開封し、口の中で転がす。

その瞬間、レモンの風味が口の中にふわっと広がった。

あぁ、私今すっごいニヤけてるだろうなぁ、なんて頭の隅で考えながら口の中のキャンディーをゆっくりと味わう。

これは確かにおいしい。しばらく他のキャンディーは食べられないかも。

私が幸せそうにキャンディーを頬張っている中、グレイが最後のひとつに手を伸ばしたその時――――――
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