×グレイ

□花便り
2ページ/5ページ





日曜日――――

ナツはグレイに指定された場所に行くとすでにグレイがいた。
待たされたのが嫌だったのか少し機嫌が悪そうだ。

「遅せェぞ、ナツ」

案の定、グレイは機嫌が悪かった。

「あれ?でも俺はちゃんと時間通りに来たんだけどな〜?」

少しからかうとすぐに引っかかってくれるところが可愛い。
頬を赤くしながらそれでも言葉だけは強気で「ほら、行くぞ!」と怒鳴ると先に行ってしまった。




「・・・あれ?そーいや今日は珍しくハッピー連れてないんだな」

「あぁ、なんたってグレイとデートだかんな!」

「・・・デートって程じゃねェけど」

今度は耳まで真っ赤にしている。
ナツにだけ見せてくれる顔。
ナツはそんなグレイの顔が大好きだった。
ナツが一人惚けてると、先を歩いていたグレイがくるっとナツの方を向いた。

「どうしたんだよ?」

「ちょっと・・・こっから先は目ェつぶっててくんねェか?」

「ん、分かった。
 ・・・うぉ!?目ェつぶると怖ェ!!」

すると、誰かに握られた手。

「・・・俺が引っ張ってやるから、手ェ離すんじゃねェぞ!!」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ