×グレイ
□花便り
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日曜日――――
ナツはグレイに指定された場所に行くとすでにグレイがいた。
待たされたのが嫌だったのか少し機嫌が悪そうだ。
「遅せェぞ、ナツ」
案の定、グレイは機嫌が悪かった。
「あれ?でも俺はちゃんと時間通りに来たんだけどな〜?」
少しからかうとすぐに引っかかってくれるところが可愛い。
頬を赤くしながらそれでも言葉だけは強気で「ほら、行くぞ!」と怒鳴ると先に行ってしまった。
「・・・あれ?そーいや今日は珍しくハッピー連れてないんだな」
「あぁ、なんたってグレイとデートだかんな!」
「・・・デートって程じゃねェけど」
今度は耳まで真っ赤にしている。
ナツにだけ見せてくれる顔。
ナツはそんなグレイの顔が大好きだった。
ナツが一人惚けてると、先を歩いていたグレイがくるっとナツの方を向いた。
「どうしたんだよ?」
「ちょっと・・・こっから先は目ェつぶっててくんねェか?」
「ん、分かった。
・・・うぉ!?目ェつぶると怖ェ!!」
すると、誰かに握られた手。
「・・・俺が引っ張ってやるから、手ェ離すんじゃねェぞ!!」