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□キスする約束
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「なぁ骸」

その日、綱吉君は珍しくまだ日も昇っていない時間に目を覚ました。そして迷惑なことに隣で規則的な寝息をたてている僕に声をかけて起こそうとする
が誰しもそんな時間に起こされても起きやしないだろう、木の葉の落ちる音で目を覚ます某風紀委員長じゃあるまいし。
ということで僕は全く起きる気配がない。そんな僕をゆさゆさと揺さぶり

「骸ー!!起きないと……」

キスするよ、と低い声で耳に息を吹きかけられて僕は驚いてビクッと反応し、目を擦る

「……何ですか?」

こんな朝早く…と文句を言えば綱吉君は仕事に行くからキスして?と首を傾げて自分の唇を指す…可愛くおねたりしてるつもりらしいですが大の大人がそんなことしても可愛くはないと思いますね。

「……眠いです、帰ってきたらしてあげます、気をつけて行ってらっしゃい」

眠気に勝てない僕はそう言ってまた布団に潜り直し規則的な寝息をたてはじめる



骸が寝たのを確認すると深いため息を付き
「…ひどい…でも、今日はミルフィオーレとの会議だし…遅刻はできないし…」

仕方ない、と呟き寒さと闘いながらベッドから足をおろし、まだ体温で温かいパジャマを脱ぎ、冷たいスーツに手を通す。


ノロノロと準備を終えて
「それじゃあ行ってくるから、帰ってきたらちゃんとキスしろよ?約束だよ、骸」
と独り言
完全に熟睡している骸の額に唇を落とし、寝室をあとにした。



『約束だよ、骸』

そんなあなたの声が耳に残っていた気がした…
それは守ることが出来なかった約束。
守りたかった約束。
だから過去のあなたが来たことで希望が生まれた。
果たしたい約束を果たせる希望が…
キスする約束を……







――――――
ミルフィオーレに射殺される前の朝の綱吉と骸。やけにのん気だとか鋭いツッコミはなしの方向でお願いします
視点が何回か変わって面倒ですみません。

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