†黒の協奏曲†
□第四声【科学班】
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緤が入団して2日後。
教団の生活にだいぶ慣れはじめ、朝から大量に、しかも幸せそうに食事をしていた緤に白衣を来た2人が近づいて来た。
「緤さんちょっと採寸するよ?
失礼しまーす。」
『えっ?えっ?』
急に来た2人組に戸惑いながらも口に食べ物を運んでいる。
「珍しい服だなー。江戸の服?」
タップの言葉に蕎麦を食べていた緤の手が止まる。
『はい…』
緤の笑顔が若干引きつるが、タップは採寸に集中しているようで気がついていなかった。
「素敵な服だけど戦闘には不向きだね。
はい、ちょっと立ってね」
ジョニー眼鏡を指で押上げながら緤を立たせて言う。
緤はやっと箸を置き首を傾げた。
「科学斑が入団祝いにせっちゃんの団服を作ってくれるってさー」
たった今食堂に入ってきたラビが緤達に近づきながら答えた。
興味がないのかブックマンは長机隅に座り食事をしていた。
「だんふく?」
緤は子供のように聞き返す。
そこで”待ってました”とばかりにジョニーが説明をし始めた。
「団服ってのは、エクソシスト達が着てる制服みたいなものだよ。
普通の服より防御力・耐久性を上げて作ってるんだ。
でも、その人に合った服にしないと防御力が落ちるだよ」
ジョニーの説明に緤も頷いた。
「オーダーメイドだからなんか付けて欲しいものとかあるったら言って?」
「あ!!そのマフラーも作ってあげるよ♪」
『本当ですか?お願いします♪』
「良かったなーせっちゃん」
『はいっ』
すっかり、打ち解けてる緤の様子を観察する男の姿が…
緤は知る由もなかった。