ボカロ

□雨が降れば
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5月末日。

今にも降り出しそうな空を見上げ、レンが一人呟く。

「もう少しで6月かー」

そろそろ梅雨の時期だな。 

そんなことを考えていると、いつの間にか隣に立っていたがくぽが言葉を返す。

「この間まで連休だったというのに、もう6月?……ハッ!6月って祝日が無いんじゃ………!?」

「お前はまたそれか。」

レンは冷めた視線をがくぽに送る。

ちなみにがくぽは一週間くらい前にも『連休が終わってしまった』と騒いでいた。

「……それに、6月は雨ばかり降って少し憂鬱でござるよ」

「あー、それは分かる。ジメジメして暑いし。」

2人がそんなことを話していると、

「俺は6月好きだよー」

と言いながらカイトが現れた。


「だって暑い時に食べるアイスは最高だし!」

アイスかよ!


「えー  でも雨だと外出とかしづらいし〜…」

がくぽが納得出来ない、というように
ぶーぶー言う。

レンは何も言わなかったが、がくぽと近い気持ちだった。

しかしそれは次のカイトの言葉で180度回転した。

「うん、でもさ」



「雨が降れば、その間ずっと好きな人と一緒に居れるから。」


レンの方を見て、にこ、とカイトが笑う。

レンの顔が一気に赤くなる。

(……カイトはこれを天然でやってるからタチが悪い!)

赤い顔を見られぬように、レンはそっぽを向いた。


そんな風にレンとカイトがいちゃこいてる中、

「……拙者は置いてけぼりでござるな」

がくぽは一人寂しくその場を離れたとか。


→あとがき
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