ボカロ

□雪の日の光
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クリスマス当日の昼頃。


家の中はきれいに飾り付けられ、
テーブルには美味しそうな料理がたくさん並んでいた。


俺達はごちそうを食べながら 遊んだり、話したり、歌ったり、プレゼント交換したり…とみんなで楽しく過ごした。


そして、夜。
みんなは遊び疲れて眠ってしまったようだ。

その幸せそうな寝顔を見て、ふふ、と笑った。


「……何一人で笑ってんの」

「!!レンくん」


振り返るとレンが少しあきれたような笑みを浮かべていた。


「まぁ、こんな顔見たら笑っちゃうけどな」

と言ってみんなに毛布をかけた。



「レンくん…」


「ん?」


「今日は…俺達が付き合って初めてのクリスマスだね」


「そうだな…」


「だから…何か普段はしないことをしたいな、って思ったんだ。」

「…これ、俺からのプレゼントです。」



そう言って俺は
箱を差し出した。


「え…これ…」


レンは驚いているようだった。

「開けてみて?――気に入ってもらえるかは…わかんないけど…」


レンが箱を開ける。
中には 輝く黄色の装飾がついたリング。

「なんか…店で見た時…レンくんに似合いそうって思って………ごめん」

開けてから一言も喋らないレンの様子に、怒ってるのかと不安に思った俺は
とっさに謝った。


「何で謝るの?」


レンがそう言った。


「あ…いや…やっぱりこういうのって重かったかな…って」


う。なんか泣きそうになってきた。


「カイトがくれた…これ、実はペアリングなんだよ」

「へ?」


「……ん。これはオレからカイトにプレゼント。」


俺はレンから箱を受け取った。
その中には 美しい青の装飾がついたリング。


「………!!」


そう。
俺が買ったのとレンが買ったのはペアリング。


俺達はそっとキスをした。ケーキみたいな甘いキス。

「れ…レンぅぅぅ」

なんだか嬉しくて。
涙が流れ落ちる。


「ちょ…!?泣くなって…あ」

いきなり止まった言葉が気になって
レンの視線の先を辿ると
そこにはふわりふわりと舞い降りる雪。


「雪だ…」


俺が呟いた瞬間、


「雪!?」

「あ!!ホントだぁ!」

「雪合戦しよ!!」

今まで寝ていたはずのみんなが飛び起きて騒ぎ始めた。


「「…え?」」

俺達2人だけが状況を飲み込めない。


「み…みんな寝てたんじゃ…」

やっとのことで絞り出した言葉に

「寝てる訳ないじゃない、気を使って寝たふりしてたのよ!」


な…なんだってぇぇぇぇ!?

「ホントいつまでもいつまでもイチャつきやがって…爆発させてやろうかと…」

「めーちゃん!!ダメ!さすがに身内はダメ!」


みんなに見られてたなんて… は…恥ずかしい///


ふと隣を見ると
レンもまた、顔をほんのりと赤くしていた。
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