ボカロ

□夏だ!アイスだ!同人誌!
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コンビニに入ると、雑誌コーナーのところにレンがいた。
どうやら立ち読みしているらしい。

あ、とカイトが声を洩らし、それに気付いたレンがビクッと顔を上げる。

そして顔をしかめ、
「うわ。リンとカイトだ。」
と言い、さりげなく本を棚に戻した。

「レン酷ーい!!!」

リンが口を尖らせ、軽く怒る。

「はいはい。…遊んでたんじゃなかったの?なんでここに来たわけ?」

レンはリンをなだめつつ、カイトに話しかけた。

「アイス買おうと思って。」

「家にもあったじゃん。」

「うん、まぁそうなんだけど、遊んでた公園からはここの方が近かったからね〜」


レンが苦い表情で小さく呟く。

「…公園か……ミスった……」

「? どうかしたの?」

「何でもないっ!」

何故か焦るレンを不思議に思ったが、
あまり執拗に聞くのもかわいそうなので別の話題を切り出した。

「ところで、レンは何を読んでたの?」

「!!!べべべべ別に!何も読んでなかったけどっ!」

明らかに挙動不審なレン。

「え、でも俺らが来たとき…」

「読んでない!」

「いや…確実に読んで……はっ!」

カイトが何かに気付いたようで、口に手を当て、少々顔を赤らめ、こう言った。

「………あ、あの…ごめん、すぐ気付けなくて…」

「え?」

「レンも思春期だもんね……そういう本も必要だよね……」

「ちょ……」

「大丈夫!みんなそういう時期が来るんだから!もし良かったら俺やがくぽが持ってるやつも貸すからね!レンが好きそうな和服のもあるよ!」
 
「あ、それはあとで貸して。………じゃなくて、今読んでたのはそういうのじゃねーから!」

暴走しかけのカイトを止める。


「え?違った…?」

「そ…そうだよ!ほら、これ見て!」

そう言ってレンは本を手に取り、表紙をカイトに見せた。

そこには見覚えのある緑のツインテールの女の子がネギを持っているイラストが載っていた。

「あれ?これ…ミク?」

「そう!これはオレらVOCALOIDのことが書いてある本なの!」


「…なぁんだ〜。そうだったのか〜。変な勘違いしちゃった。ごめんね?」


「いや…大丈b…」

話がまとまりかけたその時。

「………レンはカイトの首筋に舌を這わせ……」

「「 !? 」」

「………唾液と先走りでぐちょぐちょのカイトのそこに、レンは自身をあてがい………」

「リン!ストップ!!」

リンが唐突に官能的な文章を言い始めたのだ。

「リン!いきなり何言ってんだよ!」

レンがかなり焦って
リンを止める。

「リン!どこでそんな言葉覚えてきたの!?」

カイトはおかんのようなことを言う。

リンはレンが持っている本を指差して、言った。

「この本の内容をそのまま読んだんだよ!」

何故か得意げなリンと、
この世の終わりのような表情のレンと、
顔を真っ赤にして固まるカイト。



その後しばらくレンとカイトは
上手く喋れなかったそうです。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リン「てゆうかVOCALOIDの薄い本って、コンビニで売ってるんだね?」

カイト「………!!」

レン「その話はもうやめて…」


→あとがき的な何か
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