だぎゃー!

□002 任せるだぎゃー!
1ページ/3ページ

「地球上全ての人間達に告ぐ。
我々はディテクター…世界をこの手にいただくことにした」



モニターに映し出された謎の人物。
一体、コイツは何を企んで地球征服を狙ってるんだがね…!?



「見よ…第三ビジネスセンターの惨状を。この一帯の都市機能はディテクターが支配した。
これはお前達に現実をつきつけるためのデモンストレーションに過ぎない。
世界中に存在するLBXは我々の意のままにできるのだ……今、世界はディテクターの手の中にある」


するとモニターは先ほどと同じような画像に切り替わった。宣告が終わったのか……
しかし、何故こんな物騒な事態になったんだ…?それにつまり…この一件は始まりに過ぎないのならまだLBXに関わる事件がまた起こるはずだ。
こういうことに興味が湧くのが……



「目的は世界征服……

なんて悪い奴なんでしょう!」


こんなことに首を突っ込むつもりなのか…と言いかけたが、冷静に考えればヒロと私はあの一件につい関わってしまったんだ。そして、宣告をみんなで見た。
……もう一つ。こんなことが許せないのはヒロらしい。ついでに自分も、されてたまるかと思ったんだ。




「君は、あのディテクターについて知っているようだな」
「おっと、俺は味方だぜ。
俺のコードネームは……コブラ」


うーん……見かけは怪しそうだけど、Dエッグを渡したりするからには本当に味方っぽいな。怪しいけど。


「かっこいい!コブラさんですか!」


やっぱりそこにはつっかかるんだ……


宇崎社長に目を向けば、どうやらこの人も疑ってるみたいだ。そりゃあそうだけど……




近くの車両に移動すると、コブラはコンピュータをいじり始めた。
その行動をも社長は疑いの目で見ているが、ますます何をしでかすか分からなくなる。というか今何をやっているんだ…?



「……何を始めるつもりだ」
「まぁ見てなって、宇崎の旦那」
「……俺を知っているのか?」


「あぁ。
…お前は山野バン」


いきなりバンのフルネームを当てた。(初めて聞いたから分からないけど)当たったらしいように目を丸くした。


「そして大空ヒロ……

で、伊達マサムネこと秋原ミノリだ」
「えっ……」
『な、なんで私の本名まで!?』


本名で芸能活動なんて幼い頃の間だけ…普通のマサムネファンなら本名は知らないはずなのに、それに一般人であるこの2人の名前まで知っているなんて……ますます怪しく見えた。貴方は一体誰なんだ?



「お前達がここにいるのは偶然じゃない。
奴らと戦うために、選ばれたんだ」



「………選ばれた……」


黙って考え込んだけど、理由が分からない。
関係ないけど、「選ばれた」というワードに、きっとヒロは……


「僕は選ばれた!」


ほら……この台詞、宇宙英雄センシマン第一話で出たのと同じだ。それと同じこと言われて目が輝いてる。……ものすっごいことに巻き込まれてるというのに、コイツだけのん気に見えるなぁ……
こんなこと言われるなら、世界の命運を賭けてない戦いで言われたい。
ってか、なんで私「お前は選ばれた!」なんて台詞覚えてるんだ?見すぎたのかな……



「そういうことだ。
まず、この町をコントロールしているシステムがどこにあるのか…逆探知するぞ。
コイツなら大抵のブロックは破れる」


前まで機械にめっぽう弱いと思ったけど……やっぱり今も、何がなんだかわからない。
ふと、ヴィーナスをポケットから取り出して見つめた。……アンタに出会ったのも、偶然じゃないのかな…?



「……アミとカズはディテクターに連れ去られたって言ってましたよね」


バンと一緒に行った子たちのことか…まさか、それって誘拐とかに当てはまるよね?


「ああ…」
「何故あの2人が?」


「奴らは、世界中から優れたLBXプレイヤーを誘拐しているんだ」
「えっ、なんのために!?」
「…それはわからん」


コブラも、肩を上げて分からないと言った。
よく考えれば、さっきディテクターが世界中に存在するLBXは意のままにできる…とか言ってるのに対してLBXプレイヤーを誘拐する…なんて関係性が浮かばない。
一体、なぜ………


「ディテクターは、お前達が想像もできない強大な組織だ。
世界各国で同時テロを簡単に起こせるくらいな」


それくらい規模が大きいのなら、どうしてこの今という時期に世界征服を企み始めたんだ…?
…疑問を見つけるのは癖だけど、答えを見つけるのは生憎上手くはない。こんがらがっちゃう前に、考えるのをやめよう。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ