だぎゃー!

□003 新しい仲間だぎゃー!
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『ただいまー……』
「おかえり、ミノリ!
大変だよ、えっとまずは……」

疲れて重くなった体でお邪魔…じゃなかった、帰宅すると玄関先でヒロが待ってくれていた。
最初そんなことに多少ビックリしたけど、何から話そうか迷っているヒロを見ていると呆れて田宮さんのことを話して落ち着かせた。…いや、逆に相手が驚いてた。


「ええっマネージャーの田宮さんって宇崎さんの仲間だったの!?ならミノリは安心だね!」
『安心って……今安心できる状況?
アンタ、よく「オラワクワクすっぞ!」って思えるよね』
「だってコレ……RPGみたいじゃないか!
あっそうそう、今日風摩キリトって人に会ったんだ!」
『へぇ…どんな人?』
「それはね…なんていうか、不思議な人だったんだ!しかもLBXが強くて……
……ミノリ?あれ、寝てる……今日のレッスンで疲れたのかな?ベッドまで運ばないと……」

満身創痍のまま睡魔に負け…玄関で眠ってしまった。
しかも壁にもたれかかってうまく倒れないようにバランスをとっている。

「いやいや、ここは起こさなくちゃ!
ミノリさーん、起きてくださーい?早くしないと夕食が……」
『…まだ、眠ってましぇーん……』
「…どんな寝言…?
しかし、寝顔がかわいいなぁ……ってイカンイカン!ヒーローなる者がヒロインを不純な目で見るなんて言語道断なのに!
ミノリ、起きてよ!疲れても夜十時に寝るのが約束だって言ったじゃないか!」


彼女の体を揺すり、応答を待つ。しかし、眠っているのが分かるように寝ぼけた声と名古屋弁で返事が来た。

『んー……夕食のーなるのいや…さいがえらいでかんね……』
「…なんて?」
『…夕食ちゃっと食って、バトルするだがね?』
「じゃあ、やりたいんだったら起きて!」
『はいはい……』

ようやく目が覚め、ゆっくりだが壁を伝って部屋まで歩く。
ヒロもついていき、明日のことについて聞き始めた。

「そういえばさ、明日空いてる?」
『ああ、3人目のLBXプレイヤーを探すためにシブヤタウンで…ブティック行くんだっけ?』
「違うよ!シブヤタウンの武道大会だよ!
それも田宮さんに聞いたの?」
『そう……武道大会だから、きっと男だろうなぁ』
「もしかしたら女かもしれないよ?ミノリの他に戦う女戦士、とか!」
『そりゃあどえりゃあ楽しみだがね!
ちょっと、一緒に部屋に入ろうとしないで!乙女の秘密なんだから……』
「ええっ!?…昔は普通に入れさせてくれたじゃん……」


たーけっ、今の私は男に秘密をバラさない乙女なんだぎゃー!
それにいくらファンで彼氏だとしても、新曲とダンスは発表する日まで見せられないからねっ!








『「ごちそうさまでした!」』
「よしっバトルしよう!」
『ああ!望むところだがね!』

食器をシンクに入れ、ヒロの部屋まで直行。田宮さんからもらったDキューブを展開する。ステージは…月面だ。


『スタンダートレギュレーションで、一機やられたら負けのルールでいいね?』
「いいよ!じゃあ、ペルセウス!いくぞ!」
『ヴィーナス!行こみゃあ!』

『「バトル、スタートだ!」』


二丁拳銃を撃ちまくり、最初から攻撃をしかける。しかし全てかわしたり、剣で跳ね返されたりでなかなか当たらない。

「次はこっちの番だ!」
『まだまだァ!』

剣を振り回して襲い掛かるペルセウスだが、こっちは機動性重視のヴィーナスだ。ピョンピョンと跳ね回ってかわす。

「む、速い……!」
『少しは攻撃を当てたり当たったりしてみぃ!』


すると、いきなりCCMからメロディが鳴った。
画面には「必殺ファンクション・「クインビーマシンガン」が使えるようになりました」と表示されている。

『なになに、必殺ファンクションって?』
「あっそれ僕も出た!確か、Cゲージが溜まったら必殺ファンクションが……」
『なるほど!まあひゃあCゲージが溜まるだなも…これなら勝てるだがね!』

止まることのない攻防を繰り返し……ついに、Cゲージが満タンになった。

『今だぎゃー!必殺ファンクション!』

「アタックファンクション・クインビーマシンガン」
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