だぎゃー!

□006 ファイナリストだぎゃー!
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早速車両から脱出する。…車両を見れば、やっぱり粘着質なものに絡まっていた。
これはまるで蜘蛛の糸のようで…これがクッションになっていたのか。
地面に降りて、車両の先頭へ走る。先頭の前に立っていたのは……

「LBX!?」
「見たことないタイプよ…」
『…おみゃーが、ウチんたー助けてくれたんがや…!?』

すると1体のLBXがホームへ飛び上がると同時に…誰かがLBXの元へ歩いてきた。

「…貴方は…!」

このLBXの持ち主であろう…年が変わらないような少年がそれを、肩に乗せて操作を終えたようにCCMを持つ手を下ろした。
とにかく、私達もプラットホームによじ登った。…今自覚した、私達生きてるんだ…!


「ヒロ、ジェシカ、ミノリ!」
「…バンさん!」
『ランも!』

バンたちが駆けつけてきた。すると、少年が彼らに振り向いた。

「えっ…!? ジン!」
「バン君、しばらく会ったね」

ジン、という少年は…バンを知っているのか。

「ジンが止めてくれたのか!?」
「3人とも無事でよかったよ。
僕の新しいLBX…トリトーンだ」
「トリトーン……」

…あれれ?なんか2人の世界作っちゃってない?
というか、彼は一体何者なの?バンの味方みたいなのは分かるけれど…

「あのっバンさん、知り合いですか?」
「ああ!」

「助けてくれてありがとうございます!」
『私達の命の恩人よ、ありがとう!』
「本当に感謝しているわ!素晴らしいLBXね…!」

感謝の気持ちを一斉に送ると、ランはいきなり「あーっ!」と声を上げた。ちょっ、ビックリした!

「ジンってあの海道ジンだよね!?秒殺の皇帝!
去年のアルテミスファイナル、超絶バトルにすっごい燃えたなぁ…!」
「ファイナルってことは、バンさんのライバルと言っていい人なんですね!
かっこいい〜!」

へぇ、彼もそんな凄い人だったんだ…ファイナリストが2人もここにいるなんてありえせんこったがね…!

「でも、どうしてここに…」
「彼が連れてきてくれたんだ」

ジンの言う彼、とは… …後ろから聞こえた足音の先を見ると、もう1人現れた。

「あっ!?マングース!」

突然今度はコブラが声を上げた。…今回はコブラの知人…?

「えっ?」
「……みんな、紹介しておくぜ。
こいつは、コードネーム「マングース」。
俺と一緒に山野博士の助手として、エージェントをやっている」
「父さんの…!?」
「そうですか、よろしくお願いします!」
「『…マングース…?』」

聞いたことがある、動物のコブラとマングースって仲が悪いとかなんとか…つかどうして動物の名前をコードネームにするんだ?
まぁ、まさか同じ助手同士で仲が悪いなんてそんなことはないよね!なんて面白おかしく思っていた。

「…だぁからイヤだっつったんだよ、こんなコード−ネームは……」

本人イヤがってたんだ…なんか後ろに生えてる(?)しっぽ、動いているような気がするけど気のせい?

久しぶりに地上に出て、神谷コウスケを病院に搬送する。ジェシカ曰く、NICSで保護するらしい。
はぁ、外の空気はやっぱり新鮮!都会でも吸いたいものは吸いたいしな……はぁ、思えば往生こいたしおそがった…。いやいや、大変な目に遭ったし怖かった……


「じゃ、オレは行くぜ」
「おい待てよ!」
「忙しいんだよオレは!
海道ジンを連れてきたら任務は終わり、ガキの子守りはお前の仕事だろうが」
「子守りだぁ!?」
「お前にはお似合いだぜ」
「何だとぉ!?マングース、お前こそ…」

って、こっちの方も仲悪いな!コブラとマングースのコードネーム、すごくピッタリすぎる…ははっ。

「オイ待てって!」
「フンッ!」
「…相変わらずな野郎だぜ!」

あーあ、マングース行っちゃった…天敵すぎるなこの2人は……
まぁ…あの人のおかげでジンがここに来たんだし、それはそれで良かったんじゃないかな?
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