だぎゃー!

□012 アルテミスだぎゃー!(後編)
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大統領暗殺阻止は達成できたけど…アルテミスに出たんだから、後は優勝あるのみよね!

再び会場に入れば、Cブロック決勝とは違うブーイングではなく、ちゃんと熱気に溢れた歓声が満ちている。
この熱気、すごく好き…!

今のDブロックは、オタレンジャーZが決勝まで上り詰めてるのか…あれ、早い。

「このバトルが終われば、いよいよ僕たちのEブロックが始まります!」
『どっちが決勝に当たるのかしらね?』

ヒロに向けていたずらにはにかめば、目の前の視界のほとんどに得体の知れないものに包まれた。いや、これは…缶?トマトジュース?


「飲むか?」

缶を掴む腕を伝って顔を見れば、先ほどお手柄をしたアスカだった。
どうやら私とヒロに、それぞれトマトジュースを差し出してるみたい。

『ど、どうも…』
「あっありがとうございます、アスカさん……」


あ、トマトジュース美味しい。


それから、Dブロックを制したのはオタレンジャーZに決まった。
ということは、残りのEブロック…バンチームとヒロチーム、どちらが勝つかだね!

「さぁ、僕たちの番だ」
「はい!」
「くぅ〜っ!腕が鳴るね!」

「行こう、ジン、ジェシカ!」

「どっちも頑張れよ!」
『ファイナルステージ、待ってるから!』

アスカと一緒に6人を見送る。
……正直、どっちかが負けなくちゃいけないと思うと、胸が苦しくなる。
どっちを応援すればいいんだろう。…こう思うの、何度目だろう。

「じゃ、俺あの空いてる席にいるから!じゃな!」
『え、うん……』
「あっいっけね!
弟がお前のファンなんだ、サインくれよ!」
『そうなの…!?ありがとう、サインならいくらでもするよ!』
「あと俺の分もな!もしもの時に使えたらだから適当でいいぜ」
『て、適当!?』

アスカ…不思議な子だなぁ。
でも弟の分までサインを貰うなんて、弟思いなんだ。…いいお兄ちゃんだなぁ。
……お兄ちゃん…?お兄ちゃんで、いいんだよね……



おっと、もうすぐEブロックが始まる。
どっちも応援すべきだろうけど、本当にどっちを応援しよう………



「サンキュ!じゃあまた後でな!」
『え、ええ……………』
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