だぎゃー!

□014 イギリスだぎゃー!
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「長官、父さんはなんでイギリスにいるんですか?」
「ああ、ブリントンに博士の研究施設があるらしい。そこで君たちのLBXを強化したいそうだ」
「アタシたちのLBXを!?」

「これからのディテクターの戦いに備えるためには、LBXの強化は不可欠だ。すぐに準備してくれ」
「「『はい!』」」


わぁ、山野博士が直々に強化を施してくれるなんて!すごく楽しみ…!

「父さんに会えるのか……」

バンも嬉しそう。きっとしばらく会ってないのかな…
……そういえば私もしばらく両親に連絡してないな。
ちらり、とヒロが視界に入る。
……ヒロも、お母さんと一年以上も会ってないのか……

「山野博士も、ブリントンにいたんですね」

『も』……あっ、おばさんもいたんだっけ!

「僕のお母さんも、ブリントンにいるんです」
「へぇ、そうなんだ!」
「はい!
次世代テクノロジー研究所というところで、研究員をしているんです!
向こうにも行ったら、紹介しますね!きっとブリントンの町中を案内してくれますよ!」
『おばさん、元気にしてるかなぁ…!』

おばさんへの期待を抱きながら、出発準備に取りかかる。


ダックシャトルが発進し、ブリントンに向かう。










「ねぇバン、博士はアタシ達のLBXをどう強化してくれるんだろう!」
「分からないけど、すごく楽しみだよ!」
「お母さん驚くだろうなぁ、いきなり僕がイギリスに来たら!」
『あれ…そういえばオタクロスは?』
「オタクロスなら来ないわよ、「ディテクターがテロを起こしたわけじゃないからワシは必要ないデヨ〜」って」

ジェシカ、口調までマネとは……
そうなんだ、てっきり行って観光するのかと思ったけど……

「でも本当の理由は、先行発売の限定フィギュアを買いに行ったんだよ」

ああ……納得。
同時に、機内放送がブリントンに到着することを伝えられる。
ようやく着くんだ…!会えるかな、おばさんに!
強くなれるかな、私たちのLBX!



空港に着き、待ち合わせているというマングースを捜す…けどいない。

「ったく、時間通り来た試しがねぇ、ルーズ野郎め……」
「……あっ、マングースさん!?」
「おう」

い、いたんだ!

「お前そんなとこに隠れてたのか!」
「別に隠れてなんかねぇっつーの」
「こんなところにいたらややこしいだろうが!」
「俺の勝手だ!」
「なぁにぃ!?」


ああ、いつもこんなことやって……
ヒロに顔を向ける。CCMに耳を当てたということはおばさんに連絡してるとこなんだ……

『おばさん、どう?』
「留守電だった……また後で連絡しよう」

思うけど、おばさんの方から連絡してくるってこと、あまりないよね。…忙しいのかな……


博士のいる研究施設まで車で向かう。
ブリントンの街並みって素敵……!いつかここで撮影したいな、なんて………


「そろそろ着くぞ!」
「山野博士は、これから行く施設の客員研究者ってことになっている。
ディテクターから身を隠すのも、ちょうどいいからな」

「あれが博士のいるビルニッジ天文台だ」

天文台の地下駐車場で降り、マングースと別れる。色々忙しいって言って行っちゃったけど、何をやってるんだろう…?
向かった先には、大きな天球が天井を飾る、広い玄関があった。
その先を進み、ドアを開ければ……またまたステンドグラスが天井を美しく飾るスペースがあった。とても広いなぁ……うっとりしちゃいそう。

「ねぇ、山野博士ってどんな人なんだろう!」
「きっと、センシマンに出てくるドクトルムホーのような、オーラを纏った正義の科学者ですよ!」
『そんな人だったら憧れるなぁ…!』

あっ、ランに呆れられた。しまった…どうして無性にセンシマンと重ねちゃうかなぁ……!
階段を上り、奥の部屋へと進む。
……視界の端に、人影が見えたような気がした。見えた方向へ首を回すと、気のせいだったのか人影は消えていた。
誰か、いたような……あれ………?


「どうしたの、ミノリ?」
『…ううん、なんでもない!』
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