だぎゃー!

□016 謎の人物だぎゃー!
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「オーストラリア・キャンベルンで発生したLBXの暴走は、発生から5時間が経過しました―――」

テレビのニュースの映像で物語っていく凄惨な光景。
これらを一刻も早く解決しないと……!


「パパから連絡よ。
今回のブレインジャックに対して、オーストラリア政府はA国に支援要請してきたそうよ……
つまり、事件を経験したA国にどう対応すべきか聞いてきた」
「A国はなんと?」
「NICSの専門チームが現在向かってるから、その報告を待つように、って言ってるみたい」
「その専門チームって……」
「そう、私たちのこと!」
「う〜ん…そう言われると責任重大だよね!」
「はい、そうですね」

「間もなくキャンベルン上空だモ!」

メタモRのアナウンスで、もうすぐ現場に向かう緊張が体中をほとばしる。
今日、どうしてこんな日にディテクターはこの街を狙ってきたのか……


「ミノリさん、聞こえるかしら!」
『田宮さん!』

モニターに映し出された田宮さんは、深刻そうに焦っている。
やっぱりこの状況が大変なのは田宮さんも同じなんだ……

「拓也の指示で私は今キャンベルンにいるわ!
こんな状況なのにライブは予定通り実行するってありえないけど……なんとか出てほしいわ」
『わかりました!』

「そんな、何で出る必要があるの!?」

一番最初に、ヒロが肩を上げて声を出す。
分かってる。そんなに怒るのも、ライブのリスクも。

『本気でやると決めたからには絶対やるの!
それに、恐れてる人がいたら励ますのが私の役目だから!』
「ミノリ……」
『大丈夫、みんなは司令コンピュータをお願い!』
「わかった!」

バンの頷きで、全員も同意する。
アイドルなんだから、このくらい恐れちゃダメ……!


「……現状を詳しく調べてみる必要があるな」
「それなら、ライディングソーサの出番だ!」
「バン、ヒロ、ラン、偵察飛行を頼む」
「「「了解!」」」


3人の偵察飛行で分かったこと。
空には3つの自動制御の(水中ミュージアムで私のライブがやることの)宣伝用の飛行船が飛んでいること。
交通網が混乱し、酷い状況におかれていること。
これらを大統領に報告しようとした瞬間、いきなりモニターが砂嵐にあい……仮面の男が現れた!


「地球上全ての人間達よ、キャンベルンはご覧のとおりだ。ディテクターに不可能はない。
我々の力を持ってすれば、もはや、この程度のことは遊びに過ぎない。
現在キャンベルンは、完全に我々の支配下になった。更に、今より3時間後、LBXの大反乱によりオーストラリア全土の進行を開始する。そして、オーストラリア制圧ののち、LBXによる全世界の一斉攻撃をかける。
世界は間もなくディテクターのものとなる。地球上全ての人間達よ、ディテクターに平伏すがいい!」

「3時間後、18時になったらオーストラリア全土が…!」
「どうしましょう、オーストラリア全土なんて僕たちだけじゃ…!」
「でも、それだけの数のLBXを動かすには司令コンピュータの1つや2つじゃ済まないはずだけど……」
「あの自信満々な言い方は、もう準備はできてるってことかも!」
「恐らくな……ハッタリで言うはずがねぇ」

「……バン君、何を考えているんだ?」
「…どうしてディテクターは、一斉攻撃なんて言い出したんだろう……
これまで、襲った国に対して必ず要求があったのに…」
「確かに今回はいつもと違うな……」
「そうなんだ。なんか変だと思う」
「とにかく、情報が不足しているわ。今はまず、キャンベルンの司令コンピュータを止めないと…」
「どうだオタクロス、見つかったか?」
「まだデヨ!これだけやっても見つからんとは……
やはり、いつもと何かが…」
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