だぎゃー!

□018 国防基地だぎゃー!
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おばさんがブリッジのコンピュータを操作しているのを見ながら待つ。

「よし……
これで、フューチャーホープ号からパラダイスをコントロールすることはできないわ」
「ありがとう、お母さん」
「もうパラダイスがレーザーをぶっ放すことはないってワケだな」
「よかった……」
「お母さん……」『おばさん……』



すると、その時謎の感覚に陥った。
今度は映像がぼやけながらも見える。

風が走る音……大統領と長官、そして爆発音。

「どうした、ヒロ、ミノリ?」
「…また、見えたんです……」
『聞こえたわ……』
「え?まさか、カイルの時と同じアレ?」
「はい……」『ええ……』

「何が見えたんだ?」
「大統領と、長官が見えました……」
「パパが?」
「2人とも、どこかに閉じこめられてるみたいで……」
『…爆発音が……したの……』
「爆発!?」
「パパと大統領が、爆発に巻き込まれるってこと!?」
『そこまでは……』
「見えたのは大きなパラボラアンテナ、その下にドームみたいな建物、周りに、アンテナを支える柱があって……」
「バン、何なんだ一体?」
「ヒロとミノリには、未来予知みたいな力があるらしいんだ」
「「えぇっ!?」」

未だにこの能力には慣れない。どうして、いきなり襲いかかるんだろう。
本当に起こるとしたら……色んな意味で大変だわ。

「彼らにそんな能力が?」
「さぁ……知らなかったわ」
「パラボラアンテナね……ドーム……
もしかして!コブラ、これ借りるわね」

ジェシカがコブラのタブレットを借り、操作する。

「ヒロ、ミノリ、これじゃない?」

タブレットに表示された建物。周りは砂漠。
そうだ、これかもしれない…!

「そうです、このドームです!」
「やっぱり……」
『ここってどんなところなの?』
「A国の国防基地よ」
「国防基地!?」

「どうして大統領と長官がそんなところに……」
「おかしいじゃねぇか、2人とも大統領府にいるはずだろ」
「……ダメだわ、パパと繋がらない。何かあったんだわ。
もしかしたら、ガーダインを拘束できなかったのかも……
でも、国防基地にいるってどういうこと……?」
「国防基地には、宇宙衛星管理センターがあるわ」
「宇宙衛星管理センター?」
『あのA国全ての人工衛星をコントロールできる施設だな。
一部の人間しか知らない、国家機密の――』
「そんなものをいつの間に……」
「全ての人工衛星ということは、パラダイスも?」
「そんな……!」
「このフューチャーホープ号のコントロールセンターは、あくまでもオメガダインが造ったパラダイス専用のもの。
むしろメインのコントロール拠点は、宇宙衛星管理センターということになるのよ」
「ここを止めても駄目なのか……」
「つまり、こういうことか。
ガーダインを拘束に行った長官が逆に捕まり、大統領共々人質にされた……
そしてガーダインは2人を連れて宇宙衛星管理センターを乗っ取り、パラダイスの再起動をしようとしている」
「でも、なんで人質が必要なの!?」
「宇宙衛星管理センターを可動させるには、大統領承認の起動コードが必要なの。おそらくそのため……」
「ガーダインはパラダイスのコントロールを諦めていないということか……」
「阻止する手立ては?」
「宇宙衛星管理センターで起動されたら、こちらから止めることはできないわ」
「国防基地に行こう!
大統領と長官を助け出すんだ!そして、絶対にパラダイスの再起動を阻止する!」

ええ、そうするっきゃないわね!
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