だぎゃー!

□019 宇宙だぎゃー!
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「緊張します。これから宇宙に行くんですね」
「ああ」
「心配ないわ。ダックシャトルは元々、宇宙に行くために作られてるから」
「早く行こうぜ宇宙!」
「慌てないで。大気圏脱出用ブースターの装着が終わってからよ」

オレンジの宇宙服を着て、サイズがぴったりであるか確認する。……うん、オッケー!
すると、私たちのいる座席室に、白の宇宙服を着たメイが現れた。

「メイ!」
「よかった、無事で!」
『いや、心配かけさせて悪かった。私はもう平気だ』

「……メイって宇宙服を着なくても平気な気がする…」
『ただの形だが、まぁいいじゃないか。みんなと合わせたいんだよ』
「じゃあ着なくてもいいんだ……」



「総員に告ぐ。
これから打ち上げ前のブリーフィングを行う。直ちに集合してくれ」


宇崎さんのアナウンスに、私たちはブリーフィングルームに向かった。




「宇宙でのLBXバトルは、ダックシャトルのコントロールポッドを使用する。
君達自身が直接宇宙空間に出ることはない。だが、実際に外で活躍するLBXは無重力の影響を受けることになる。
そこで気をつけてもらいたいのが、「慣性」だ」
「かんせい?」

なんだろう、それ。
それを説明したのはコブラだった。

「分かりやすく言えば、勢いってやつだ。
こうやって、押したらしばらく動き続ける」

それを、アスカのトマトジュースの缶で示してみせた。確かに丸いものは転がせば転がり続ける。
この力の継続が、慣性というものだ。

「それと無重力って、どんな関係があるんだ?」
「宇宙空間だと、その慣性が永久に止まらない。
つまりLBXに飛行能力がなければ、姿勢を保つことができない」
「それじゃどうやって……」

「宇宙用のLBXを用意する」
「宇宙用?」

山野博士は一つの重たそうなバッグを机に置く。
その中には、宇宙用LBXに必要なパーツが回収されたものが入っているそうだ。だが、まだ手配しているものもある。

「それを使い、バンとヒロのLBXを製作、ミネルバとヴィーナスも高機能型に改修する」
「新しい……」
「LBX……」
「ミネルバと…」
『ヴィーナスも改修?』

「そうだ」

そう言って重たそうなカバンを開けると、バンとヒロが駆け寄って知っているかのように中身のLBXの名前を言った。
プロト・Iとは何なのか首を傾げたら、メイが『私たちと戦ったLBXだ』と教えてくれた。あのジェラート中尉が使用していた、高次元…?なんたらを採用した機体だそうだ。
その予備機をもらい、チューニングをするそうだ。
その同時に、ミネルバとヴィーナスを改修するという。

「『やった!』」

改修したLBXと飛行能力を持ったアキレス・ディード、そしてパルテノス以外のLBXはライディングソーサでのバトルとなる。

その時、久しぶりの再会(?)となるマングースが荷物を持って現れた。

「山野博士、お待たせしました!」
「マングース!てめぇ遅ぇーぞ!」
「色々忙しかったんだよ」
「フン、ホントか?」
「お前と違ってやることがたくさんあるんだって!」
「俺が暇だっていうのか?」
「そういうことか!」

「全く、相変わらずね……」
『あはは………』
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