感謝感激!
□僕らのサマーバケーションッ!!
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イサナ「やって来ました!夏真っ盛りのプゥゥゥゥウウウウルルゥゥゥゥウウウウウッ!!!!」
「そこのお姉さーん。転ぶと危ないからはしゃぎ過ぎないでねー。」
イサナ「はーい!!サーセーン!!」
監視員に注意されても未だテンションが冷め切らない緑色のメカニックこと某イサナ。
その背後で彼女のハイテンション振りに呆気に取られる容顔美麗な男女14人。
ミノリ「イサナさん…。落ち着いて。落ち着いて。」
最初に声をあげたのは駆け出しの戦国武将系アイドルの秋原ミノリ。
アイドルに相応しいプロポーションで可愛らしいアクアマリンとピンクの水着がよく似合っている。
マコト「本当に転ぶんじゃないかな?見てるこっちがハラハラするよ…。」
ソラ「……暑い。」
次に深紅の長髪を高く結び、腰に手を当てているのは異次元からの来訪者、五十嵐マコト。
男女共に魅了するスタイルを生かした水着には相棒の青竜のシルエットがプリントされている。何それ欲しい。
その隣には萌の代名詞、スク水を着たマコトの弟子であるソラ。日差しが強いからか手で目元を隠している。
カズト「男の数が妙に少なく感じるんだが、泣いて良いかな?」
複雑そうな顔で腕組みをしているのは仙道の弟、仙道カズト。
紫と青の海パンから伸びる細いながらも筋肉の付いた四肢と胴、端整な顔立ちに向こうの女子グループはヒートアップしているらしい。
要「…人…多いね。」
スケッチブック常備の黒髪黒眼こメガネっこは橘要。
髪や瞳とは対照的な白のスク水というマニアにはニーソも追加して欲しいチョイスには可憐さが滲み出ている。
ツバサ「僕、もう日陰に行きたいんだけど。」
リオ「えー、ツバサも一緒に泳ごーぜーっ!なっ!バウル!」
バウル「バル。」
うんざり顔でプールにはしゃぐイサナを眩しそうに眺めているのは自他共に認める面倒臭がり屋の天地ツバサ。
中性的な顔立ちで上にフード付きのパーカーを羽織っているせいか、本当に性別が判断出来ない。
横でイサナ同様ノリノリで謎の白い生き物に話しかけている少年は海道ジンことリオ。
真っ赤な海パンは明るい彼に似合っており、バウルと呼ばれた生き物もお揃いなのかミニ海パンを穿かせて貰っていた。
神楽「僕もバッシバシ泳ぎたいですー。」
ピョンビョン跳ねる度に結んで貰った三つ編みを揺らすのはチャイナ娘の神楽。
華奢でありながら引き締まった体を包むのはスポーティーなチャイナカラーの水着。彼女の活発さを醸し出している。
ユラ「神楽ちゃんもあんまりはしゃぐと怪我しちゃうよ。」
クルハ「せっかく結んだ三つ編みも解けるよ。」
無邪気な後輩を静かに諫めるのは英雄の称号を持つ北島家の養女、北島ユラ。
以前よりも大人びた風貌にしっくり来る水着には美しいバラの飾りが付いている。
そして神楽の三つ編みを結んだと思われるのは天宮クルハ。
ボーイッシュながらも女の子らしさを残すデザインの水着は彼女にとても似合っている。
湯羽「あーぁ、こんな事だったらバナナボートも持って来るんだったなぁ。」
後頭部で腕を組んでぼやいているのはジョーカー使いの三城湯羽。
既にシャチを模したビニール浮きを準備している所を見るとノリノリなようだ。
ナノ「私、ウォータースライダー一番乗りだからっ!!」
クラウチングスタートの構えをしている小柄な彼女は花村ナノ。
癖のある長い髪をイサナ同様お団子にしたスタイルで若干幼さは軽減されている。
セイカ「皆、水着似合ってる…可愛い。」
チャームポイントのサイドテールを飾る夏使用のシュシュを弄りながらキョロキョロしているのはヒロ至上主義の星影セイカ。
星をふんだんに使った水着からは清楚さと少女らしさが感じられる。君も十分可愛い。
ユウ「うー、撮影機材持って来て『リアルぼくのなつやすみ』名義で投稿したい衝動が…っ!」
そわそわしているのは最年長でボカロPである朝比奈ユウ。
お姉さんらしいワンピース仕様の水着がとてもよく似合っている。
メンバー紹介はこのくらいにして、まずウォータースライダー組と流れるプール組に分かれるようだ。
イサナ「ウォータースライダーで天下統一したい奴は挙手ーーーっ!!」
サッ サッ サッ サッ サッ サッ
マコト「それじゃあ、流れるプールでゆったりキャッキャウフフしたい奴は挙手ー。」
サッ サッ サッ サッ サッ サッ
結果、天下統一スライダー組はイサナ、ミノリ、カズト、リオ、神楽、湯羽、ナノ。
ゆったり流れる組はマコト、ソラ、ユラ、クルハ、セイカ、ユウ。
ツバサ「僕と要先輩はパラソルの下でフリーダムしてるよ。」
要「みんな…いってらっしゃい…。」
イサナ「わかったよ!そんじゃ、そっちの隊長はマコトちゃんにお任せするね!よぉっしっ!!野郎共!!ひと暴れすっぞぉっ!!!」
「「おおぉーーーーっ!!」」
わー、きゃー、とウォータースライダーへと一目散に走り出すイサナ達を尻目にマコト達は屋外の流れるプールへと向かった。
〜屋外〜
セイカ「…わぁ。」
外へと繋がる扉を開けると広々とした中庭にそこそこ客がおり、プールがキラキラと輝いていた。
流れるプール以外にもジャグジーのような泡のでる温泉プールや他にも様々な設備が備わっていた。
さっそく強い日差しで汗ばんだ体を冷やすためプールに入り一息付く。
要もスケッチのためか一緒に外に出て日陰で黙々と鉛筆を動かしている。
ユラ「はぁー。冷たくて気持ちいいー。」
マコト「全くだねー。あー。このまま寝れそう。」
クルハ「ちょっと一周してくる。」
ソラ「一緒に行く…。」
ユウ「他のお客さんの迷惑にならないようにね?」
クルハ「わかった。…行こうか。」
ソラ「うん…行ってきます。」
クルハとソラは先に一周して来るらしい。やはり遊びたい盛りなのだろう。
しばらく流れるプールで流された後、ジャグジープールに入り、日々の疲れを癒した。
ジュースを飲みながらプールサイドでお喋りしていると、こちらをずっとニヤニヤしながら見ていたチャラチャラした青年複数人がやって来た。
チャラA「ねぇ、君達可愛いねぇ。全員お友達〜?」
チャラB「ってか、ちょー可愛くね?」
チャラC「俺達すっげぇ暇なんだよねぇ〜、一緒に遊ばない?」
マコトは思った。ナンパだ。
ソラは思った。暑い。
ユラは思った。ナンパだ。
クルハは思った。殴りたい。
セイカは思った。背、高い。
ユウは思った。飛行場の金属探知機に毎回引っかかりそうな程ピアスしてるね。
マコト「あー、遠慮しときます。後で別の友達とも合流するので。」
ユラ「その中に男の子もいるんで。…ね?ユウさん?」
ユウ「う、うん。そだね。」
どうにかこのチャラ男軍団を追い返そうとするが…
チャラB「へぇ〜、君ユウちゃんって言うんだ〜。可愛い名前だねぇ〜。」
チャラA「中のプールに俺達の仲間もいるんだけどさぁ、野郎ばっかじゃつまんないから頼むよ〜。」
チャラC「イケメンもいるぜぇ?俺とか?」
チャラA「お前は違うだろ〜。」
ギャハハハと下品な笑い方に全員が眉をひそめる。
ユウの肩に手を置いているチャラBにマコトやクルハは殺意を覚えるが、ここで実力行使ダブルパンチを喰らわせてユウやセイカを人質にされても困るので、グッ…と我慢する。
チャラC「いいじゃん。いいじゃん。ねー、行こうよー。」
チャラA「俺らもあんま怖いことしたくないからさー。」
ユウ「ひぇっ!?」
ソラ「………。」
ヘラヘラ笑いながらいきなりユウとソラの首に腕を回して抱えるように引き寄せた。
そこでマコトの中で何かが弾けた。
マコト「いい加減にしろよ!」
チャラA「あ"ぁ!?」
要「マコトちゃん…コレ…!」
チャラAの顔が歪んだと同時にマコトは要からある物を投げ渡された。
それは………………いつぞやの改造スタンガン、ロケットランチャー、火炎放射器。
可憐な少女には些か似合わない物騒な武器を手にしてマコト、ユラ、セイカはじりじりとチャラ男軍団に迫る。
その日、市民プールで盛大な爆音が響き、3つほど赤いお花が咲いたそうな…。