だぎゃー!

□004 空の上だぎゃー!
2ページ/5ページ

次の日。空港にて。




「社長専用機……豪勢だねぇ、さすが天下のTO社だ」


…いつか、大売れしたら私も専用機が買えたりするのかな……
なんて冗談はともかく、宇崎社長の話を全員聞く姿勢に入る。
社長と田宮さんが3つのバッグを差し出した。
それぞれ、リュックとショルダーバッグとウェストバッグにLBXのマークがかたどられている。しかもなかなかオシャレだ。



「ヒロ、ラン、ミノリ……俺からのプレゼントだ。使ってくれ」

ヒロとランは社長から、私は田宮さんから受け取った。

「うわぁ…かっこいい!
ありがとうございます!」
「じゃあ早速……」
『うん!』


ウェストポーチは思ったより頑丈そうで、中にはLBXとCCMがしまえるスペースがある。おっと、ここに音楽プレーヤーが入りそう。




「バン、これからはコブラの指示に従ってくれ」
「えっ…拓也さんは行かないんですか?」

「俺と里奈と田宮は日本へ残ることにした……シーカーで調査を続けるために。
頼んだぞ、コブラ」
「任せときな、宇崎の旦那」


宇崎社長、すっかりコブラさんを頼ってる。それはそれでよかったけど、田宮さんも残ることに寂しさを感じていた。


「…大丈夫よ、貴方たちなら出来るから」

マサムネの時に見せる…失敗なんかしない、と背中を押してくれるような笑顔をもらった。まさか今のミノリとしての私にもらうなんてね……


『っていうか、レッスンどうするんですか?出ないといけませんよね』
「ああ、その心配はないわ!
予め事務所の社長に映画の撮影で海外に行くことを伝えたから」

う、嘘っぱちを伝えたんだ!
そんなんでいいのかマネージャー……



すると、CCMからメロディが鳴った。手探って出せば、送り主はお母さんからだった。

「空港で見送ることは出来ないけれど、お母さんはずっとミノリを応援しています。
ヒロくんと、それから仲間たちとずっと一緒にいてね。ピンチの時は、必ずみんなが助けてくれるから…あなたも、絶対に助けることよ」

……お母さん…… なんだか安心していられた。
まぁきっと映画の撮影のことだとしか思ってないだろうけどね!


周りを見れば……ランはおじいさんと、バンはお母さんと一緒にいた。きっと保護者の人が見送っているんだろうなぁ……
…いや、気にしない。お母さんはメールをくれたんだもの。
ヒロの方を向けば、彼はただ1人ぽつんと立っていた。…ああ、そうだったね…この子は、見送ってくれる人もメールくれる人もいないんだった……
だったら、せめてでも私がヒロを見送る人になりたい。そう思い……足を進めた。
からの膝かっくん。これでアイツの寂しい気持ちはキレイに消えるだろう。


『ヒロッ!』
「わっ!な、何するんだよ……」
『…気をつけて行こみゃあ、って言いたいのよ。
ええか?おみゃーは……1人じゃあらすか。私も家族だがね』


振り返ったヒロに、頭をポン…と置いた。さ、さすがにこれ以上はできないけど……
元気を取り戻したのか、ふふっと笑って見せた。








そして、飛行機に搭乗し……ついに、日本を旅立った。ナゴヤシティのお父さん、お母さん、遠くにいても私達を見守ってください。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ