だぎゃー!
□005 A国だぎゃー!
2ページ/6ページ
左手を見れば、まさに豪いような建物が聳え立っていた。
ジェシカの言うとおり、そこはNICS…国際なんちゃらかんちゃら。ここでテロを止めることができるのね!
「あれがNICS本部…!」
「すげー!」
『おっかねぇモン作ってんだみゃー!』
かん、テンションが上がって名古屋弁丸出しやんがね!
駐車場の中に入ったかと思えば、さらに車体自体が上昇する。まるでここも秘密基地みたい!
って、なんでこれでワクワクしてるんだって…!
今度は徒歩で移動し、着いた先は……まさにシーカー本部に似ている構造で、なんでも出来そうな部屋だった。
「お客様をお連れしたわ、パパ!」
彼女に反応して振り向いたのはなんとも、ジェシカと面影が似ている…というか、パパ…ってことは………
「やっぱりな、NICS長官には優秀なLBXプレイヤーのお嬢さんがいるって聞いていたが……
どうも、コブラだ」
振り向いた男性と握手を交わす…とすれば、話を聞く限りではこの人がNICSの長官、なわけか…!その娘がジェシカだとすれば当てはまっている。
「ようこそ、NICSへ。
バン、ヒロ、ラン、ミノリくんだね…私は長官の、オーウェン・カイロスだ」
「初めまして!」
「お会いできて光栄です!」
「こんにちは!」
『よろしくお願いします!』
「ミスター宇崎から話は聞いている……
川村アミ君と青島カズヤ君の捜索は、我々が全面的にバックアップしよう」
「ありがとうございます!」
相手が相手なら、NICSも本気っていうことね…!すごく頼りになりそうだがね!
そんなもので、新しい頼れる仲間が加わっての初ミーティングを行う。
「トキオシティでLBXを暴走させ、アミ君とカズヤ君を連れ去ったのは、ディテクターという組織だそうだが……」
「…はい」
「仮面の男が率いているという以外、実態はほとんど分かっていないがな」
「……LBXの暴走が、このNシティでも起こる可能性が高い。
是非君たちに、協力を要請したい」
…もう、ディテクターはこっちがNシティにいるのは知っている…だったらもう戦うしかないって………
…まただ…脳のどこかで何かが唸ってる…!それに…音、小さいけど激しい音が鳴り響く!
これは……電車が走ってる音…?それに、歌声…これって、私の歌…!?
「……色々教えて欲しいの。
…ミノリ、話聞いてるかしら?」
『えっ?…はい、ディテクターのことを教えますよ?』
……あれ…そんなこと、話したっけ…?ほとんど、脳内にノイズが走ってばっかりだったから聞き取れなかったのに…どうしてこんなことを口走ったんだ?
「聞いてるならいいな……
…ディテクターは、高性能のコンピューターシステムを奪ってブレインジャックを行っている。
通信、行政、金融、交通そして教育……世界中の至るところ、コンピューターだらけだ。
奴らディテクターが付け入る隙は、いくらでもある」
「…コンピューターシステムの悪用を阻止することが、それが、我々NICSの任務だ。勝手なことはさせない!」
ようやくノイズが収まり、ミーティングに集中できる。…さっきのは一体なんだったんだろう………
「みんな、CCMを出せ」
コブラの指示に従い、CCMを出す。
電波キャッチのデータをインストールしたけど…これはなんだろう。やっぱり機械に弱くてなんだかちんぷんかんぷんだがや…
「終わったぞ!
いいか、LBXのMチップに作用する周波数の電波を感知すると…!」
するとCCMの画面が切り替わり、メーターが大きく現れて上昇していく。…えっと、説明よろしく!
『…これなら、ブレインジャックする電波の発信源を見つけられますね!』
なるほど…!つまりディテクターが炙り出せるってこと!
それは嬉しいけど…そういえば、ジェシカのLBXはブレインジャックの対策はしてるのか?と、ちょうど思ってたらバンが同じ質問を彼女に問いかけた。
「平気よ!ジャンヌDは、アーマー&クラウン社製の機体を、NICSでカスタマイズしたもの。
それに、トキオシティでの事件を受けてMチップは外してあるわ」
「そうですか………!」
なるほど、それなら私達と同じブレインジャックされることはないってことね!
でも、NICSってLBXのカスタマイズもするんだね……仕事の幅、大きくない?
「バン、ヒロ、ラン、ミノリくん……
大統領も、君たちに期待している。よろしく頼む」
「大統領が期待している!?くーっ!
任せてください、絶対期待に答えて見せます!」
『いやいやいや!そこまで責任重大ってことだよ!?
…大統領まで…期待なんて…!』
長官は頼もしいと笑うけど、そう豪語するヒロはなんていうかなぁ…こんなに、自信ありげでいいのかな?
ランも調子上がってきたみたいだけど、誰一人失敗を恐れないのね……
「かなりやる気出てきたって感じ!」
「ああ!」
「やりましょう、僕達で!」
『……うん、絶対に成功させよう…!』
こうなったら、自分も失敗なんて知らないフリをしよう。さすがに弱音なんて吐けないし、逃げようとも思わない。