感謝感激!

□来訪者と戦国アイドル
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『悪い、遅くなっちまった!』
「大丈夫よ、私たちも着いたばっかりだから!」
「オイ、ファブニールもしかしてオシャレしたつもりか…?」
「分かったかカズ!今日はな…」
「よしっスタジオに行こう!」


某局某スタジオ。「VSアイドル!」収録スタジオのだだっ広いセットにはすでにアトラクションの用意が終わっていた。
控え室では。


『……田宮さん…
私ってこんなバラエティに出るほど体力ないですよ…?
それに他のアイドルの平均年齢は20歳超え……明らかに浮いてません?』
「それは浮いてるじゃなくて目立ってるのよ!アイドルだからいいじゃない!」

まだアイドルとしては若々しい、素人レベル(と思っている)な私。なんと今日の仕事は人気バラエティの出演なのだ。
確かに毎週見てたし、まだ早いけどパジェロ欲しいなって思ってたけど………
やっぱ自信ない!緊張するってば!失敗が怖い…!

「伊達さん、そろそろ時間です!」
『はっ、はい!
って眼帯つけないと……』

…いや、強気じゃないと!私はマサムネ、戦国武将………
スタジオ入りしようと、足を踏み込んだ瞬間だった。



爆発音。


そして……た、大量のLBX!?
ななな、一体なんがねーっ!?









もしかして、リヴォルトの襲撃か!?
一体なぜこんな所に…!

観客もスタッフも、悲鳴を上げて外へ逃げる。

「番組を守りましょう!今でも間に合うわ!
パンドラ!」
「オーディーン!」
「フェンリル!」
『ファブニール!』
「おうっ!」

操作はファブニールに任せて、私は周りに逃げ遅れた人がいないか周りを見渡す。
……!スタジオ入り口に1人…って、彼女は……!

大量のLBXなだけあって、4人で向かっても一向に減らない。その中の1体が腰を抜かしている彼女に銃口を向けた…!

『い……いや…!』
『逃げるぞっ!』

とっさに彼女の元まで走り、手を掴んで逃げ出す。初めてスタッフ関係者通路を無断で駆け回るけど今は罪悪感に見舞われる気持ちなんて関係ない。
1体に加えて、少しのLBXが追いかけて銃を発砲し始めた。ちょ、あぶねぇ!





角にある誰かの控え室に入り、念のため鍵を閉める。部屋の中にいればドアなんて開けられないはずだ。
今の状況が怖いのか、まだ彼女は怯えている。……意外、だな。


『伊達マサムネ……だな、その変わった眼帯』
『え?……はは、そうですよね…』

気を紛らわそうと、なんとなく明るい話題を提示する。けど、今この時気付いたのは話題のアイドルの手を握って、同じ空間にいるということだ。
事故という成り行きでなってしまったが、これは一般人にとってヤバいのではないか?
いやそもそも、ヤバいのは……!


『ファブニール、そっちはどうだ!』
「必殺ファンクションをぶっ放せば全滅できる!指示してくれ!」
『わかった!』

必殺ファンクションを指示する。…けど、これで全滅するとは限らない…2、3体がこちらを探し回っている限り、安心できない…!


『…あ、あの、あれって…なんなんがね…!?』
『はい?』

…がね?今、とてつもなくアイドルらしくない言葉が聞こえた。いや、気のせいだろう。気にしないで……リヴォルトだって、説明できるか?
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