感謝感激!

□マツナーミ戦機
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続・マツナーミ戦機〜火曜日はサスペンスの香り〜


こぶしを握り締める。そこに達成感など微塵もなく、俺の中には虚しい穴が開くばかりである。
伝説と謳われたディッシュ4・・・それは見る影もなく返り打ちにされ、重度のけがを負ってしまっている。あの最強チームが、だ。


「まさか、こんなことになるなんて・・・・!」


苦々しい表情でそう呟き、スクリューの手を握るヒラギ。今無事なのはマキュア、ヒラギ、ユリ、そして俺。無事と言ってもアサーギとの激しい攻防によって傷だらけである。かすり傷だけなのは不幸中の幸いと言うべきか。
しかし、なぜ・・・・なぜあいつは裏切ったのだ・・・・!


「ナギが裏切るなんて思いませんでした・・・!」

「ええ、最初からだまされてたみたいね」

「くっ・・・!俺が、俺がもう少し早く気付けていれば!」

「落ち着いて兄さん。気付けなかったのは私たちも同じよ」


ナギが裏切った。いや、言葉だけで裏切ったのならまだよかった・・・・あいつは、サチマ達を・・・・っ!
耐えきれなくなり壁にこぶしを叩きつける。拭かずに勝利を伝えに来たせいで滴っていた水が壁につく。仄かに赤いものが混じっているということはどこか切っているのだろうが、生憎俺にその感覚はない。


「・・・・う・・・まつ、な・・・・み・・・?」

「!起きちゃだめですチガツ!今の貴女はとても重症です!」

「・・・みき・・・とに・・・・・・これを・・・」


目を覚ましたチガツはそういってUSBを差し出した。差し出された手はじんわりと温かく、そして震えている。彼女にとっての限界が来ているのかもしれない。
USBメモリを受け取り、手を握り締める。病院に行かなければ、思考はそう言って焦っているのだが、どうしても体が動かなかった。


「ふふ・・・わた・・・たちより、つよ・・・い、・・・ひとに・・・・・・あえる・・・んて・・・・・・」

「チガツ・・・!」

「エールに・・・・よろしくね・・・」

「待てチガツ!まだ助かる、助かるんだっ!!」


力が、抜けた。あわてて脈を確認、そして呼吸も確認した。生きている、まだ助かる余地はある!
無事だった奴ら全員で倒れているディッシュ4を運ぶ。病院のある町はすぐそこだ。


―――
――――

「そうか・・・俺のいない間にそんなことが・・・・」

「ああ。四人はなんとか一命を取り留めた」


ミキトは近くにあるらしい実家に呼び出されており、そこで皿洗いの技量を上げていたらしい。故にアサーギとの戦闘に間に合わず、唯一無傷だった。
話を聞いたミキトも苦い表情を湛えており、今にも殴りかかりそうな怒りすら垣間見えたような気がする。それを見て逆に俺が冷静になれたような気がするところには感謝しなければならない。
チガツから受け取ったUSBメモリをミキトに渡す。特定の人物に回すということは、その人物しか見てはいけない情報が入っている可能性が高い。


「・・・・そうか・・・」

「ユリたちはディッシュ4の病室にいる。顔を出してやれ」

「・・・いや、これを見てからにする。戦線離脱したような感じがして、顔を合わせにくい」

「わかった。だが無茶はするな」

「そんなこと分かってるさ」


儚げに笑うミキトに一抹の不安を覚えたが、気のせいだと思ってその場を後にした。
そのあとのミキトの行方すら分からなくなることも知らずに。


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チャット派生ネタ!松浪様、マキア様、椥良、幹都様、翠竜様、ハチガツ様、シエル様、asa様、幸真。さん、ゆい様、柊にのみフリーです!

Σ皿洗いで何で大けがしてんの!?
という突っ込みが入りそうですが気にしてません、なんでこうなった・・・・という今回もカオスですねマツナーミ戦機。
名前使用は前回同様です!最終的にナギがラスボスになりそうなフラッグktkr!
書き直しはいつでも承っています!
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