story!!

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『どーしたムギ?最近ボーっとしてるぞー?』

私の事を心配してくれるのね。
嬉しいわ。


「ごめんなさい、なんでもないわ。気にしないで。今お茶淹れるわね。」

嘘、本当は気にして欲しいわ。
でも、心配はかけたくないの。


『おー?そうか、ありがとな、ムギ。』

「?」

『ほら、いつもお茶淹れてくれるし、お菓子も用意してくれてるじゃないか。』

「…!!。そ、それは私がしたくてしていることよ。けいおん部のみんなが好きだから。」

『お〜!ムギは友達おもいだなあ!』

友達…、それ以上はあってはいけないと
分かっているのに。
こころが苦しい。

今は、私とりっちゃんしかいないから、
言ってしまおうか。


「ねえりっちゃん。」

『ん?なんだムギ。相談か?』

さっきとは変わり、真剣な表情に
なったりっちゃん。
こんなに私の事を心配してくれて
いるのね。
いえ、これは多分、けいおん部だから。
りっちゃんは部長だから。
そう、いいきかせる。
じゃないと、もっと好きになりそうで。

「あっ…あの…。」

『?そんなに言いにくい事なのか?』

「…う、ん。」

『そうなのかあ。ムギの事だから凄い重大な事かもなあ。』

「あのね、じ、実はっ…」

ガチャ

『あ、律とムギじゃないか。まだ2人しか来てないのか?』

「あ、澪ちゃん…」
『おう澪。ああ、唯達はまだらしいな。』
『そうか、ありがとな、律。ムギ、私ミルクティーな』

「えっ…ええ。」

『?ムギ、大丈夫か?』

私のことを心配してくれているのに。
私は澪ちゃんの事を邪魔だと思って
しまった。

「ごめんなさい澪ちゃん。考え事してて…」
『ああ。そうか、怪我しないように気をつけろよ?』

「うん、ありがとう澪ちゃん。」


わたしは、考えてはいけない結末を、
心の奥にしまった。

(…澪ちゃんが事故で死ぬなんて考えていた私は、嫌な女ね。きっとりっちゃんはこういう人は嫌いね。)
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