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□君を、束縛してしまいたい。…(佐伯)
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ねぇ、帝。

俺以外見ないって、誓ってくれる?
 
 
 
 

「おっはよ!サエ!!」
「おはよ、帝」

無垢な笑顔で、笑いかけてくれる君。
君のその無防備な姿が人目に晒されるたびに、俺は複雑な気分になるんだ。
君の瞳に映っているのは、俺だけじゃない、って分かってるから。

「どうしたの?サエ・・・具合、悪い?」

不安げな表情(かお)で覗き込んできたりしないで?
そのまま抱きしめたくなる。離したくなくなる。

「いや、大丈夫。ちょっと、寝不足でね」
「え〜!めっずらしい!!サエにも寝不足なんてあるんだ!!」
「あはは、どういう意味かな?帝ちゃん」
「や、やだな冗談だって!!!もーサエ黒い〜;;」
「そんなこと、無いつもりなんだけど?」
「あるある!!・・・やっぱ不二くんに似てるな、そういうトコw」
 

チク。
 
心臓に、まるで畳用の針でも刺されたような鈍い痛みがこみ上げてくる。
君の口から、他の男の名前が出てきた。それだけなのに。
その相手がいくら幼馴染であっても嫉妬してしまう俺って、やっぱりちょっと、おかしいのかな?
 
 
 
ねぇ、帝。
 
いつになったら、君は・・・
 
俺の気持ちに、気づいてくれるんだろうね?
 
 
 
 
君を、束縛してしまいたい。
 
(僕だけの君にして)
(他の男なんか)
(近寄らせたく、ないのに)
 
 
 
 
 
 
●●
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