11/06の日記
23:30
オスメスゲーム+α
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「ね〜ケイス?私と遊ばない?」
ミミは、年に2、3回アジトにやってきて俺達と交流する。
恋人のアズベリーに会うためだ。
こうやって甘い声を囁いてくるのは、ダイナマイトボディの魔性の女である彼女の特権で、個人的には物凄くウェルカムなんだけど。
ただ、今はちょっと、猛烈にアズベリーの突き刺すような視線が痛い。
「ミミ、ちょっと、嬉しいけど。すっごい遊びたいけど、ほら、アズベリーがめちゃくちゃ怒ってる」
「怒ってませんよ。」
ジャラシーの塊になったアズベリーは、指先で顎あたりを撫でられてる俺を鬼のような顔で睨んでいる。
鬼は見たことないが、きっと今のアズベリーの横に鬼がいたら、きっと子リスちゃんの如く可愛く見えるだろう。
「ほら、怒ってないって。だから大丈夫よ。」
「何がほら?何が怒ってないって?」
「大丈夫。大丈夫。ね?」
「え?だから、何が大丈夫なの?俺、このままだと死んじゃうよ?」
「大丈夫よ。ね?」
「え?何が?生死にかかわるんだよ?人の命なんだと…」
「ダイジョウブだって言ってるじゃないですか。」
そう言ったアズベリーは、もう俺を殺す算段をつけた目をしていた。
つまり、人殺しの目だ。
「イヤー!!怖い怖い怖いコワイコワイコワイこわいこわい!!お願い!やめて!殺さないで!俺まだ死にたくない!!いろんな可愛い女の子とデートしたい!!命だけは、命だけは助けてー!!」
俺は我をなくした。
「んもう。いくじなしね。」
隣にいる美しい彼女は、可愛く頬を膨らませた。
「俺は意気地無しだ!こんなイカれた遊びに、もう誘わないで!」
俺は座っていたソファをまたいで、アジトから逃げ出した。
「…怒ってないって言ったのに」
「あら、本当に怒ってないの?」
「はい。私は貴女から自由を奪ったりしませんよ。どうぞ自由に若い男と遊んで下さい。」
「嫌味な男…」
「どっちが…」
ミミはアズベリーの座っているソファに腰を下ろしアズベリーに寄り添ってから、アズベリーの耳元で囁いた。
「このゲームは怒ったら敗けなのよ?アズ。アナタなら、負けてくれるって信じてた。」
「………信じる?それは確か、貴女の最も嫌いな言葉。」
「…ふふふ。いくじなしね。」
二人のゲームは、次の日
他のみんなが帰ってくる頃に終わるだろう。
「スパイスには荷が重すぎるっての!」
ケイスの愚痴は夜風の中に消えていった。
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