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□バーチャル・ワー
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「それって、止めることはできないの?」
越前は柳を見ながら言う。しかし柳は「今は何も言えない」と返してきて越前は肩を落とした。
「なぁ、そいつ悪いやつなんやな?」
「あぁ、そうだよ…だが俺たちには何も出来ないだろう。しばらくはこのネット回線に足を運ぶのは止めたほうがいいだろうね」
遠山の問いに幸村そう返した。“危ないことは止めろ”という意味を込めて。しかし遠山はハッと鼻で笑いこう返した。
「その悪い奴をワイらがやっつければええんやな?」
「遠山くん、理屈はそうだけどそれは難しいんじゃないかな?命に関わるリスクもある…」
「…ビビってんの?」
遠山を止めようとする幸村に越前はこう言った。
「あ、当たり前じゃないか!だいたいこうゆうのは管理者の人がやるものであって俺たち子供が手を出して良いものじゃない…やるならボウヤ達でやりなよ、俺はやらない」
そう言うと幸村はこの場をログアウトという形で現実世界へ帰った。
「なぁんや、幸村もたいしたことないんやな…」
幸村の居た場所を見て遠山は呟いた。それに対して真田はこう返した。
「遠山、幸村をあまり責めないでやってくれんか?アイツはついこの間まで生きるか死ぬかの大きな病気を抱えていてな…“死”と言うものに想像出来んほどの不安を抱いているんだ」
「なるほどね…だから何時も強気の神の子さんがあんな弱気だったんだ」
遠山と越前は真田の言葉に納得しポーチから幾つかの画面を取りだし空中に置いた。画面は青白い光を放っている。
「何をする気だ?」
二人の行動に些か疑問を抱いた柳は質問した。
「幸村にメール打って呼び戻すねん」
「そのナントカって奴を倒すにはあの人が居たほうが心強いしね」
「…お前ら」
越前達に二人は胸の中に昂る何かを感じた。
「真田さん達も、協力してくれるんでしょ?」
越前の勝ち気な笑みに二人は笑顔で応えた。
「あぁ」
「もちろんだ」
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