テニス/短い夢

□3
1ページ/2ページ


☆月◇日

「臭う先輩」

「なんじゃい切原ワカメちゃん」

「俺の今日は10年に一度の最悪の日らしいんすよねー」

「うわ、それは最悪じゃのう」

「でも丸井先輩なんて100年に一度のラッキーデイらしいんすよ」

「そりゃうらやましいのぅ」

「あ、ほらちょうどあそこ」

「うわ女子にキャーキャー言われとる」

「くそ、あのデブめ」

「おいワカメ、ブンちゃんにチクるぜよ?」

「やめてくださいよ、でもにおー先輩は1年によくある超平凡な1日らしいっすよ、凡人め」

「1日がスーパーアンハッピーデイのやつに言われたくなかっ」

「「はぁ…あの豚がうらやましい」」



普通の中学生の普通の妬み。

●月△日

「あーー」

「人ん家来て何下らないことやってんすか…」

「だってよぉ、扇風機あったらやりたくならねぇ?」

「まぁ、わからなくもないっすけど…」


ピンポーン


「あ、仁王が来たみたいだぜぃ?」

「ほんとっすね、じゃちょっと迎えに行ってきます」

「その必要はないなり」

「なに勝手に上がってんすか?」

「赤也の姉ちゃんが入れてくれたダニ」

「そうですか……」

「お、扇風機発見」

「なに丸井先輩と同じことしてんすか」

「夏といったらコレじゃろ」

「ほらみろ切原、みんなやんだよっ」

「あ、お菓子買ってきたなり、一緒に食おう」

「ダメっすよ、今昼前でしょ」

「なんでだよっ、食わせろよっ」

「あんたこれ以上肉ついたらおっぱい出来ちゃいますよ」

「それは困るな……」

「どうせまた夜までいるならその時食べればいいじゃないっすか」

「そうじゃの」

「じゃちょっと飯作ってきます」

「俺オムライス」

「じゃ、俺ゲッティ」

「なんすかゲッティって」

「スパゲッティのことじや。俺のクラスで流行っちょる」

「あっそう…てか二人とも同じの頼んでくださいよ…」



「文句言いながらもちゃんと作ってくれるんじゃよなぁ」

「ほんといい後輩だぜぃ」

「そういえばさ、丸井持ってきたか?」

「持ってきたに決まってるだろぃ」

「いつやろうかのぅ」

「昼食い終わってからでいんじゃね」

「午後が楽しみじゃ」





「ふーご馳走さんっ」

「うまかったなり」

「ありがとうございます」

「のぅ赤也」

「なんすか」

 
「これを今ここで来てくれんかのぅ?」

「?」

「早く着ろよな」

「はっ?!なんすかコレっ!!無理無理無理無理っ」

「じゃ外でまってるぜぃ」

「可愛く着るんじゃよ」

「ちょっと……はぁ」


がさごそ


「うわ…どーやってつけんだよコレ……丸井先輩っ」

「なんだ、着替え終わったか?」

「これ、どうやるんすか??」

「んあ……と、ここをこうして、んで…よっと」

「(なんか、変なもん見た。ゲロ吐きそうじゃ。あ、でも赤也意外に似合っとたな)」


「ほいっ」

「ありがとうございます……」

「お、似合ってんじゃん。さすがワカメ」

「いや、ワカメ関係ないし。あと、似合っても嬉しくないっす」

「仁王ー終わったぜ」

「おー似合っとる、似合っとる」

「まさかバニーちゃんが似合うなんてな」

「もう脱いでいっすよね」

「ダメじゃ。今から写真とるなり。」

「なんで?!」

「高く売れるんじゃ」

「ちょ、「5割やるからさっ」わかりました」

「現金なやつじゃな」




お金に目が眩む中学生。


あとがき→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ