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□バーチャル・ワー
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「ほら、とりあえずショップにいくよ」

「おんっ!」


ようやく動き出した二人の前に立ちはだかる人物がいた。


「やぁ、久しぶりだねボウヤたち」

「!?」


ニコニコと笑いながらこちらに向かってくるのはそう、幸村精市だ。後ろには柳や真田もいた。


「何、俺達の邪魔するの?」


越前の鋭い眼光に幸村は慌てて否定する。

「嫌だな、邪魔するのはルール違反だろ?追放されちゃうよ」

「安心しろ、ただの伝言だ」

幸村の後に柳がなぜ自分達の前に現れたかの説明をした。


どうやら、現在このゲームには“違反者(クラッカー)”がいる、との事だ。今回の“違反者”はこのネットワークに侵入し、プレイヤーの精神を乗っ取りその人の持っている持ち物全てにバグを与え、プレイヤーの精神はバーチャルから脱け出せなくなるというものらしい。つまり、現実世界では意識不明の状態でいるということ。この時、プレイヤーの身に付けているメガネやらのゲーム機を外部の人に外されると、二度と現実世界へは戻って来れないらしい。


「それ、ほんまかいな?」

「わからん。解っていることは、先ほど蓮二の話した事と、その前に“狐”というバグが原因ことだな」

「狐…?」

「ああ。何でもそのバグは人の形をしているらしいよ」


越前と遠山は彼らの言葉に顔を見合わせた。



「人の形…」

「悪いやつなんか?」


二人の質問に柳が答えた。


「そうだな、少なからず命に関わるだろう。そして今もそのバグは侵食し続けている」




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