【本】無印夢

□名前ってさ
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アジア代表がイナズマジャパンに決まった日の夜
いつもより豪華な食事を空腹で仕方がないお腹へと掻き込むメンバー達
流石に今日は疲れたらしい


「そういえば豪炎寺、氷星の事を名前で呼ぶようになったんだな」
「…それがどうした」


鬼道がニヤリとでも効果音をつけて豪炎寺へ問う
冷静を装って返事をしたものの、内心は軽い挙動不審状態である

「いや、特に深い意味はない」
「…でも確かに氷星って言いにくいよなー…」
「…」

会話を聞いていた円堂が箸を片手に腕を組む
そして何かを思い付いたのかそうだ!ポンと手を打った


「なぁ氷星!」
『?どうしたの?円堂くん』

「俺も唯って呼んでもいいか?そっちのが短くて楽だし!」
「………!」
『急にどうしたの?全然いいけど…』
「ゲホッ…!!」


通路である机の間を越えた先に座っている唯に許可を求めれば、案外すんなりと話が通る
豪炎寺は思わず口に含んでいた飲み物を吹き出しそうになっていた


『確かに氷星って言いにくいし…皆も呼びにくかったら名前で呼んでくれていいからね?』


そんなこんなで皆唯の事を苗字でなく名前で呼ぶようになったとか
自分はかなり頑張って思いきり、名前を呼んだのにあっさり皆名前呼びになって少し複雑な豪炎寺
唯は唯で豪炎寺に名前を呼んでもらえるようになったのは恥ずかしいながらも嬉しかったらしい

なにしろ、思い人に名前を呼んでもらえたのだから




(残念だったなー皆名前で呼べるようになっちゃって)
(緑川……少し黙れ…!)
(拗ねるなよ豪炎寺)


(唯ちゃん、皆にあっさり名前で呼ばれちゃったね)
(豪炎寺先輩は名前呼ぶだけであんなに時間掛かったのに…よかったんですか?)
(ご、豪炎寺くんは関係ないよっ!ただ皆が呼びにくいかなって…)
(わかった!唯ちゃん豪炎寺くんに名前呼ばれて嬉しかったからでしょ)
(……!!)
(唯さん、顔真っ赤ですよ)


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