【本】無印夢

□のんびりキャラバン
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エイリア学園を倒す為、地上最強のチームを作る為
理由はこの二つ、そしてその為に日本中の選りすぐりの選手を見つける為
雷門中学サッカー部は瞳子監督監修のもと、“イナズマキャラバン”へと乗り込む

中は意外と広くキレイだ
席は元から決められており、氷星の席は前から2列目の窓側で豪炎寺の隣だった
窓際なので豪炎寺より先に席に着かなければいけないのだが氷星ひたすら顔を青ざめさせていて入り口付近から動かない
どうしたー?と円堂が聞いてみれば、顔は青ざめさせたまま氷星は呟いた


『わ、私……乗り物酔い酷いの…』


いやいやいつも試合車で行ってた、と言えばいつも試合会場に向かう車は何とか慣れたらしいが、バスだけは絶対に無理、だそうで
瞳子にとにかく席に着きなさいと怒られてしまったのでとりあえず慌てて席に着く

目的地を告げ走り出したイナズマキャラバン
一瞬で気分が最悪にまで落ち込んだ氷星を見て豪炎寺はハァ、と息を付いた
名前を呼んでみれば氷星がさっきよりも顔色の悪い顔をこちらに向ける
豪炎寺は右腕を氷星の頭の後ろに回しその頭を引き寄せて自分の肩に凭れかけさせる


「酔う前に寝てればいいだろ。寝とけ」


やっといてアレだがどうにも恥ずかしくなって視線を氷星から外す
すると自分の右肩にコテッと重みが加わり、ありがとう、と随分耳に近位置から聞こえた

しばらくすれば聞こえてくる寝息
視線を氷星に戻せば穏やかな顔で眠る姿が目に入る
そんな氷星に眠気を誘われたのか、豪炎寺も腕を組んで寝る体制をとろうとする



『ごーえんじくん……』



そんな氷星の寝言が聞こえたか聞こえなかったかの瀬戸際、
隣の温かさに安心感を覚えながら、豪炎寺も眠りについた






(なぁ風丸)
(なんだ円堂)
(あの二人…完全に寝てるよな)
(どっちも幸せそうな顔で寝やがって…)
(なんだ一之瀬、嫉妬か?)
(あー俺は違う違う、なんかこんなに思われてる人がいるってのが羨ましいってだけ)
(…それは納得だな)


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