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□Hello,and Good bye.
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この想いを携えたまま

僕は何処に行けばいい










「・・・黒猫」


雨の日の談話室で

手持ち無沙汰に雨の外を見ながら

引退を終えた俺は無気力にそう呟く


「本当ですね・・・濡れるでしょうに」


本から顔を上げた観月が

心配そうにそう返す


「何処に行くんだろ」


こんな雨の中

ずぶ濡れになって

帰る場所も

帰る意味も

ないかもしれない


「・・・・・木更津?」


察するような観月の声

それさえもいつか遠くなるのかな

みんないつか離れて

集わず遠くなるのかな


「また・・・逢えるかな」


消えた黒猫を思いながら

俺は小さく弱音を吐く


「逢えますよ」


そう

その

自信に満ちた答えが欲しいんだ


「世界は丸いんですから」


風のように雨のように

いつかきっと巡るかな



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引退後

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